「Don’t cry for me Argentina」は、ブロードウェイミュージカル、そして1996年(日本は1997年)公開の映画「エヴィータ」でMadonnaが歌った名曲で、Andrew Lloyd Webberの作品。
映画でマドンナが演じた“エヴィータ(エヴァ・ペロン)”は実在の女性で、貧民街の生まれから、アルゼンチン大統領夫人に上り詰めた人物。この曲は、エヴァの夫であるペロン氏が大統領に就任した際、官邸のバルコニーからアルゼンチンの民衆に向けて歌われています。


It won’t be easy, you’ll think it strange
不思議に思うでしょうね

直訳すると「簡単な話ではないから、あなたは変だと思うでしょうね」

When I try to explain how I feel that I still need your love
今でもあなたの愛が必要だと言ったら

After all that I’ve done, you won’t believe me
これまでの私の振舞いを思えば、信じてはもらえないでしょうね

エヴィータがここで言う“これまでの振る舞い”とは、民衆から集めたお金を、自身の豪華な衣装に費やしたり、ペロンの以前の愛人を追い出し、自分がペロンのパートナーの座を奪い取ったこと、などを指していると思われます。

All you will see is a girl you once knew
私は今も、あのころの私と同じだということを

a girl you once knew(あなたがかつて知っていた女の子)とは、彼女が大統領夫人になるずっと前、グラビアモデルやメロドラマ女優として親しまれていたころの私、ということ。

Although she’s dressd up to the nines
華やかに着飾ってはいるけれど

At sixes and sevens with you
もめ事もたくさん起こしたけれど

I had to let it happen, I had to change
私は事を起こしてみるしかなかった、変わるしかなかった

Couldn’t stay all my life down at heel
みじめな人生に我慢がならなかったから

Looking out of the window, staying out of the sun
窓の外をながめているだけでは、日陰の身のままでは

貧民街で生まれ、ろくな教育も受けられず、このまま朽ちていくのはどうしても嫌だった、だから顰蹙をかうようなこともやったわ、這い上がるために…という語り。

So I chose freedom
だから私は自由を選び

Running around trying everything new
新しい世界を求めて走り回った

But nothing impressed me at all
でも結局、そこには何もなかった

I never expected it too
自由さえ、本当は望んではいなかった

(※)
Don’t cry for me Argentina
泣かないで アルゼンチン

Argentinaは、アルゼンチンの国名でもありますが、アルゼンチン人という意味でもあるので、「皆さん(国民たち)」といったニュアンスかもしれません。

The truth is I never left you
私はいつもあなたのそばに居ます

All through my wild days, my mad existence
嵐のような日々、逆境の中でも

existenceは「暮らしぶり・生活」。mad existenceは、狂ったようなめちゃくちゃな生活=逆境、としています。

I kept my promise, Don’t keep your distance
約束を守り続けました だからそばにいて

And as for fortune and as for fame I never invited them in
富や名声など求めたことはありません

fortuneは、この場合「財産・資産」という意味で、例えば、it cost me a fortuneと言うと、「(望まない形で)大金を使う、大枚をはたく」という意味になります。

Though it seemed to the world they were all I desired
世の人たちは、私がそれを望んだと思ったようだけれど

ここで使われるtheyは、先に出てきたfortuneやfame(名声)のこと。

They are illusions.
それは幻想

They’re not the solutions
解決にはならない

ここで指す「解決・答え」とは何に対するものなのか?
悩みましたが、エヴィータが曲の前半で歌っていた「みじめな、みすぼらしい生活」でないことは明らかです。大統領夫人になったことで、物質的・社会的立場はずっと良くなっているはずです。
おそらく何か精神的な充足感をさしており、それはお金や名声によって解決されるものではないのでしょう。

They promise to be the answer was here all the time
追い求めていた答えは ずっとここにあったのです

I love you and hope you love me
あなたへの愛 そしてあなたも私を愛してほしい

ということはどうやら、民衆を愛し、民衆からも愛される存在になる、というのがエヴィータが上で言う solution のようですね。

Don’t cry for me Argentina
泣かないで アルゼンチン

(※ くりかえし)

Have I said to much?
言いすぎたかしら?

There’s nothing more I can think of to say to you
もうこれ以上、皆さんに言えることはありません

But all you have to do is look at me to know
でもありのままの私を見て、どうかわかってほしい

That every word is true
私の言葉は全て真実だということを

1. dressed to the nines:派手に(華やかに)着飾る
2. at sixes and sevens:混乱して、(意見等の)不一致
3. down at heel:(靴の)かかとがつぶれた、かかとが磨り減った、みすぼらしい
4. existence:暮らしぶり、存在、実在
5. fortune:富、幸運、運命
6. it seemed to (be):どうやら~のようだ
7. solution:解決、解明、答え


   
   


この Don’t cry for me Argentina は、70年代にアンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスによって、ミュージカル「エビータ」のために作られた作品です。マドンナのバージョンはそのカバーなわけですが、もう一人、カーペンターズのカレン・カーペンターが歌ったバージョンもあります。



個人的には、マドンナ版が力強くエモーショナルとすれば、カレン版は少し切なく寂しいような趣、どちらも素敵ですね。

それにしてもアンドリュー・ロイド・ウェバーもすごい作曲家、人の心のツボの位置を、正確に把握してますね、この方は。
あの(っていうほどでもないか?)Boyzoneの「No Matter What」もロイド・ウェバーの作品です。


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