ブレイキング・バッド シーズン2 第9話より:

think on one’s feet
とっさに考える、素早い判断


ウォルターは一刻も早く大金を稼がねばと、大量のメス作りを急ピッチで進めることにする。

妻スカイラーには実母の家を訊ねるとウソをつき
ジェシーと二人、荒野のキャンピングカーで数日間缶詰になりながら
一人あたり67万ドルの売上を得るだけのメスを完成させた。

その金額にハイになった二人は、街中で食事でもして休もうという話になるが
車のバッテリーあがりでエンジンがかからない。

そこで持参していた自家発電機でバッテリーをチャージしようとしたところ
負荷をかけすぎたせいか、発電機が爆発。

おまけに出火に慌てたジェシーが、貴重な飲み水を消火に使ってしまい
二人は喜びから一気に生命の危機に見舞われてしまうのだった。

疲れもあり、気が立った二人が言い争いをするシーンからです。

I understand you hooked it up wrong and you blew it up.
あんたがケーブルの繋ぎ方を間違えたから爆発したんだろ。(ジェシー)

That is not what happened.
それは違う。(ウォルター)

How do you know?
何で分かるんだよ?(ジェシー)

I wasn’t the one who dumped out the last of our water.
私は残り少ない飲み水を火消しに使うようなバカではないからだ。(ウォルター)

There was a fire! Excuse me for thinking on my feet.
火事だったんだぜ! こっちもとっさの行動だったのさ。(ジェシー)


blow it up 「爆発させる、(計画などを)台無しにする、吹き飛ばす」。

そして think on one’s feet は直訳すると「立ったまま考える」、
それが転じて「とっさに考える、素早い判断」という意味になります。

ジェシーは Excuse me for thinking on my feet(とっさの行動ですいませんね)と言っていますが
これは自分ばかりを責めるウォルターへの当て付けでもあり、
「だって仕方ないじゃん?火事だよ?」という申し開きの気持ちもあるんだと思います。

ここまで見ていると、ウォルターも事情はあるにせよ、結構な傲慢身勝手オヤジで
明らかにジェシーのことはアカン子扱い、どこか低く見ているフシがあります。

ジェシーは基本的にテキトー兄さんなので、アカン子扱いを受ける要素もあるものの
ワルになりきれない優しさがあり、身勝手オヤジの言い分を受け入れてあげるという
絶妙なバディ関係が生まれているんですが・・・。

しかしこういう男同士の関係にヒビを入れるきっかけは大抵女性であり、
この二人にもすでにその影が見え始めています。

ジェシーの隣に住むセクシーな女の子がその女性なんですが、
彼女との関わりがこの二人の Break bad 「道を踏み外す、悪の道にそれる」を
さらに加速させていくことになります。



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