ブレイキング・バッド シーズン4 第7話より:

fly too close to the sun
太陽に近づき過ぎる(背伸びをする、分相応でない)


大好きな叔父・ハンクを連れて、ガスの店に食事に行ったジュニア。

彼はせっかく父に買ってもらったスーパーカーを
母に返品させられてガッカリだとハンクに打ち明ける。

それに対しハンクは、ほんのちょっとでも凄い車に乗れて良かったじゃないかと
甥っ子をなぐさめるのだった。

Do you know how long I had it? Fifteen hours.
あの車が僕の物だったのは、たった15時間だよ。(ジュニア)

Well, hey, buddy, let me tell you something.
うん、まあ、俺の聞いてくれるか。(ハンク)

When I was your age, I’d have given my left nut to drive a car like that for 15 minutes.
俺がお前の年で、そんなイカした車に15分も乗れるなら、タマを片方差し出しても構わなかっただろうよ。(ハンク)

(中略)

Yeah, well, you flew too close to the sun, my friend.
まあ仕方ない、お前さんにゃ分相応でなかったのさ。(ハンク)

You’d have let him buy you a clunker you’d be driving now,
オンボロ車でも買ってもらえるなら良いじゃないか、(ハンク)

instead of borrowing Mom’s hooptie.
母さんの車を借りなくて済むぞ。(ハンク)


fly too close to the sun は「太陽に近づき過ぎる(背伸びをする、分相応でない)」ということで
これはギリシャ神話から来た例え話の表現のようです。

イカロスの翼というのがそのストーリーで、
古代ギリシャの王によって塔に幽閉されていたイカロスと父のダイダロスは
その塔から脱出すべく、鳥の羽根を寄せ集めて、人が飛べるほど大きな翼を作ります。

それらの羽根は糸とロウで固められていたので
父は出発前にイカロスに、太陽に近づき過ぎずに飛ぶように言い、二人は塔から脱出。

ところがその翼はとても良く出来ていたので、いつしかイカロスは父の注意を忘れ
太陽の近くまでぐんぐん高度を上げてゆき、ふと気づいた時には羽根をとめていたロウが溶け
イカロスは大海原に落下し、絶命してしまったのだそうです。

そんな話から fly too close to the sun は、
背伸びをしすぎるな、分をわきまえろ、という意味で使われるようになったとか。

それにしてもファーストフード店でおしゃべりするなんて
本当にジュニアとハンクは仲の良い叔父と甥っ子ですよね。



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