ここ数日、仏ブザンソンで起きた事件が、気になって仕方ありません。

犯人の目星はついているようですが、国籍は明かされておらず、ただ同じ学校に通う男子生徒であることが明らかになっています。

個人的に、この女子留学生を軽はずみという事は出来ません。

同じ学校に通う、同年代の学生同士が交流を持つ事は何ら不思議ではなく、ただただお気の毒というしかありません。

ただ夜半に寮生が悲鳴のような声を聞いたということなので、若い男女間で何かトラブルがあったのかもしれません。

この辺りの事情が明らかになるにつれ、私は亡くなった祖母の助言を思い出さずにはいられませんでした。

それは「不埒な真似をする男には、女も相手を気絶させられるくらいの武術の心得がなければいけない」というもので、中学生の頃から「外国に言ってみたい」とよく言っていた私に祖母が言った言葉でした。

祖母は明治生まれで貧しい農家の娘でしたが、ひょんなことから裕福な家のお坊ちゃんに気に入られ、いわゆる玉の輿に乗った人でした。

しかしその後が大変で、子供の頃から農作業をさせられ、ろくに学校にも通えなった祖母は読み書きが出来ず、行儀作法の心得も不十分だったため、嫁いだ先でさんざん悔しい思いをしたそうです。

そこで一念発起して、子供を育てながら自力で読み書きや行儀作法を覚えたり、女性の参政権を求めて運動したり、とにかく一生懸命生きた人でした。

そんな人でしたので、私にも「女だって勉強を怠ってはいけない」ということと「危険な男から身を守るために、武術も習うべき」という、この二つをよく言っていました。

それから時代も随分変わって、今や女性が更なる勉強のために留学をすることも珍しくなりました。

ただし「身を守るために武術を身につける」という点は、実は私もおろそかにしていて、クラヴマガを習い始めたのは、イギリスから帰ってきた後でした。

祖母に言われていた当時は「え~、武術?興味ないなあ・・・」という感じだったのです。

しかし海外で日本女性が巻き込まれる事件を報道で知る度に「もし彼女たちに武術の心得があったらどうだっただろう?」と思うようになりました。

必ず命が助かるとは言えないにしても、凶行の犠牲となる確率は減っていたかもしれません。

本気の男の力というのは、普段女が体験出来るものではありません。

私がそれを実感したのはクラヴマガだったんですが、練習で、衝撃吸収のパッド越しに若い男性のパンチを受けた時でした。

彼はもちろん100%本気ではなかったでしょう、練習ですし、その時は一応こちらも若い女だったので。

しかしパッド越しの遠慮がちな彼のパンチで、私は唇を切りました。

私も受け身を習っていたので、ただ棒立ちでパンチを受けたわけではなく、体格も日本女性の平均より身長体重がある方です。

それでも鼻と口周辺がジーンと痺れて、唇が切れました。

おばあちゃんが言っていたのは、こういう力に本気で来られたら女は本当に危険なんだよ、ということだったんだな、とその時にやっと分かりました。

日本に暮らす女性でこのような男性の力を知る人は、DVを受けた経験があるか、武術の経験がある人しかいないように思います。

残念ながら世界には、とんでもない腕力を持った凶暴な人もいるわけで、そんな人にもし自分が襲われた時、身を守る術を知っていなければどうにもなりません(知っていても危うい可能性が高い)。

これらのことと昨今の不穏な世界情勢を思うと、つい言語の習得や現地の下調べだけを「留学準備」と考えてしまいがちですが、特に女性の場合はそこに武術、もしくは護身術も付け加えることを検討してほしいなと思います。

首を絞められた時、どうやって逃げるか?夜道で背後から襲われたらどうするか?そういう事も知っておいた方が良いです。

そしてそれを実践せずに帰国できるのが一番です。

女子留学生の無事を祈ります。