モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン1 第6話より:

make it work
(それを)上手くいくように出来る、都合がつけられる


初めての合同練習でヘマをして、楽団員としてはクビになったヘイリーだったが
彼女の情熱を認めたロドリゴによって、楽団アシスタントの職を得る。

ヘイリーは諦めずに再び楽団員の椅子を目指すことを決め
憧れのオーボエ奏者、ベティ・クラグデールに個人レッスンを願い出る。

そのためにはまず彼女のヘイリーに対する誤解をとき
自分の音楽への情熱を認めてもらう必要があった。

I didn’t sleep with Rodrigo.
私、マエストロとは寝てません。(ヘイリー)

Anything else?
は?他にも何か?(ベティ)

I really want to take lessons from you.
どうしてもあなたのレッスンを受けたいんです。(ヘイリー)

What are you, some kind of masochist?
あなた何なの、マゾ?(ベティ)

(中略)

Look, you’re the best there is in New York City,
あなたは一流の人、(ヘイリー)

and you’re the only shot I have at coming any closer to this.
私にはあなたに教わる以外、道はないんです。(ヘイリー)

You’re right, I am the best, and some of that rubs off on my students,
確かに私は一流だし、教え子たちも伸びるけど、(ベティ)

but I’m no miracle worker.
誰にでも奇跡を起こせるわけじゃないわ。(ベティ)

(中略)

I’m expensive. $400 an hour.
レッスン料は高いわよ。 一時間400ドル。(ベティ)

(中略)

Uh… I can make that work. When do we start?
えっ、あ・・・それで結構です。いつからですか?(ヘイリー)

I didn’t say yes. If I feel like it, I’ll let you know.
教えるとは言ってない。 その気になったら知らせるわ。(ベティ)


anything else?「他にも何か?」という意味ですが、
ここでは藪から棒に話しかけて来たヘイリーに「他にも何か告白したい?」と
ちょっと皮肉めいた使い方がされています。

masochist「マゾヒスト、いたぶられるのを好む性向」、
逆は sadist「サディスト、いたぶるのを好む性向」。

the only shot I have(私の唯一のチャンス)
=「(私が楽団員になるには)この道しかない」。

rub off on~「良い影響を受ける、感化される」

I am the best, and some of that rubs off on my students
(私は一流で、それに教え子たちも感化される)=「教え子たちも伸びる」。

rub off on~ は直訳すると「こすり落とされたものが~に付着する」、
ここでは自分の才能の一部が、教え子にもうつる(付着する)といった感じでしょうか。

miracle worker「奇跡の人、奇跡を起こす人」。

そして make it work は直訳すると「(それが)働く(機能する)ようにする」、
そこから転じて「(それを)上手くいくように出来る、都合がつけられる」。

何か少し頑張る必要があるような事を頼まれた時、
I can make it work「出来るよ、何とかするよ」と言ったりします。

またこのシーンのように“400ドルを支払えます(それで構いません)”というのも
pay や afford ではなく make it work を用いて
I can make that(it) work で表現できるんですね。

pay「払う」よりも間接的、かつ(大変だけど)頑張って捻出する、といった
努力が感じられる気がして、とてもこの状況にふさわしい表現だと思いました。

それにしても一時間400ドル、音楽の個人レッスンって高いんですねぇ、びっくりです。


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