エンパイア 成功の代償 シーズン1 第4話より:

go ape
正気を失う、ひどく興奮する、大騒ぎをする


ハキームとティアナは“タキーム”としてSNSでも話題のカップルだが
彼女は昨晩、ハキームの浮気現場を目撃してしまう。

今日はカップル揃っての大事なステージのリハーサルなのだが
ハキームは彼女に責められるからと、現場に行くのを渋り
兄のジャマルに相談に来る。

Tiana gonna go ape when she see me.
ティアナは俺にブチ切れるだろうな。(ハキーム)

I ain’t even gonna make it through sound check.
サウンドリハも無事に済むかどうか。(ハキーム)

Yeah, but you got to go to sound check, Hakeem.
ああ、だが仕事にはちゃんと行けよ。(ジャマル)

You’ve got to be professional.
プロなんだろ。(ジャマル)

If Tiana pops off and acts crazy and messes things up,
もしティアナが現場で大騒ぎしたなら、(ジャマル)

then that’s her problem with her dumb ass.
責められるのは彼女だ。(ジャマル)

Dad can’t blame you for nothing.
父さんもお前には何も言わないさ。(ジャマル)


go ape は「正気を失う、ひどく興奮する、大騒ぎをする」。

直訳すると「(激情のあまり)猿と化する」、
後先考えずに感情を爆発させる、興奮のあまり我を忘れる、といった意味になります。

Tiana gonna go ape when she see me(ティアナは自分に会ったら大騒ぎをするだろう)
=「俺にブチ切れるだろう」。

make it through~「~を上手く切り抜ける、何とかやりおおせる」。

pop off「(文句等を)ぽんぽん言う、減らず口を叩く、素早く立ち去る」。

mess things up「(その場・状況を)めちゃくちゃにする、混乱させる」。

blame「非難する、咎める、~のせいにする」。

ハキームの最初のセリフを見ると、when she see me、
文法的には she sees me のはずですが、see に三単現の -s がついていません。

一方ジャマルは pops、acts、messes と、きっちり -sをつけていますし
長兄のアンドレも、文法に添って話しています。

この辺にもキャラクターの違いが反映されているんでしょうか、
きっちり正しい言葉はダサい、女々しい、
または向こう側(高い教育を受けている、比較的裕福な層、白人層)という感覚が
見え隠れするようです。

やんちゃな弟(ストリート代表風、タフな雑草魂の持ち主風)は、
-s なんか知るかよ、という感じなんでしょうか。

この先のシーンで、白人女と結婚したお前は信用できない、
とルシウスがアンドレに言う場面があります。

(言葉、物腰など)白人みたいに振る舞ったって、向こうは本当にはお前を受け入れない、
ただお前の金を受け入れてるだけだ、みたいな事を言うんですが
こういうセリフを、全米中で視聴されるドラマで言えるのはすごいなと思います。

クッキーも、アメリカはガンガン差別あるじゃん、みたいな事を言っていて
要所要所で本音だろうな、と思わせるセリフが心に響きます。

表面の良い部分しか見えない観光なら、面白かったで終わりだけども、
アメリカで生きる有色人種はずーっとこの裏面との格闘が続いているんでしょうね。


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