これまで海外で身の回りに想定できる
危険な状況について書いてきましたが、
そうした危険への対処法としては、
消極的な手段しか浮かばないのが、正直なところです。

ただし、もし自分に多少なりとも
武術・護身術の心得があったとしたら、どうでしょう?

実は私自身、一人旅が好きなこともあり
「旅先での身の安全」については、常々考えるところがありました。

明治生まれの私の祖母はよく
「女といえども武術のたしなみくらいは必要だ」
と、たびたび私に剣道か空手を習うよう、すすめてきたものでした。

しかし当時小学生だった私は、そんな話に聞く耳をもたず
何もせぬまま成人し、
一人旅を楽しむようになってから、
やっと祖母の言葉の意味を理解するようになりました。

祖母はおそらく、

「おのれの腕っぷしが弱いばっかりに、
さもしい根性の男のなすがままになってはならぬ」

と言いたかったのです。

さすがに小学生の孫娘に
「オトコは狼なのよ」とは言えなかったのでしょう(^^;)

私も旅の経験などを通してやっと
「身を守る技」を身につける必要を感じるようになっていたのです。

しかしこのときとっくに二十歳を過ぎており
どうにか一人前になるまでに、長い時間を要する剣道や空手など
やっているヒマはない
と思っていました。

もっと実践的で、即つかえるような技はないものかと探している時に
「クラヴ・マガ」という
イスラエル発祥の戦闘術を知りました。

ご存じの通り、イスラエルは
パレスチナ問題などで、未だ紛争が絶えず
男性はおろか、女性や少年までも兵士として
戦わざるを得ない状況に置かれた国です。

そのイスラエルで開発された「クラヴ・マガ」は
そうした本来、兵士になどなるはずもない女性や少年たちに
最短期間で兵士として通用する戦闘能力を身につけさせる
という目的で生み出された戦闘術で
極めれば、
女性でも素手で男性の命を奪えるという
恐ろしい力を秘めています。

当時、雑誌か何かで
そのクラヴ・マガを本場で習得した日本人講師に習える教室があると知り、
通ってみることにしたのです。

教室では、30人くらいの男女が受講していて
基本的に女性は女性同士、男性は男性同士でペアを組んで
その日習った技をシミュレーションするという方法でした。

私はたまに、アンタK1ファイターか!? というような
いかにも格闘技好きそうな
ガタイの良い男性と組まされることがあり
そんな男性に体当たりで攻撃された日には、
防具を身につけていても、弾き飛ばされそうな衝撃を感じました。

普通に生活していると、
男性が自分に攻撃してくるなんてことは無いわけで
その時の、男性の力がどんなに強いかを体感した上で
そうやって力で攻撃してくる相手を、
力を使わずにかわす訓練ができたことは、
以降の旅先で、多少の安心感につながりました。

クラヴ・マガにはもちろん防御だけでなく、攻撃技もあり、
目をつぶす、とか、股間を蹴り上げる、なんていう
練習もやりました(汗)。

確か教室には3ヶ月ほど通ったのですが、
ある時、例によってK1ファイターっぽい人と練習をすることになった時に、
ミットで相手のパンチを100%受け止めきれず
顔に(そんなに強くはなかった)パンチが当たってしまい、
歯茎から出血してから
何かテンションが下がり、行かなくなってしまいました。

やっぱビックリしちゃうんですね、血が出ると(笑)。

しかしとにかく

・首を絞められた時
・後ろから羽交い絞めにされた時
・腕をつかまれた時


この3パターンの危機の逃れ方は、知っておくと
いざという時、逃げられる確率がかなり増します。

どれもすぐに覚えられる、簡単な護身術なので、
興味のある方は、DVDでクラヴ・マガの技を覚えて、
お父さんとか彼氏を練習相手にするのはどうでしょう?(笑)
(力は加減してくださいね、本当にキマると相手はシャレにならないので)

またクラヴ・マガを題材にした「イナフ」という映画もあり、
これはジェニファー・ロペス扮する主婦が、夫のDVに耐えかねて、
秘かにクラヴ・マガを習い、
夫を殴り殺す(!)というストーリーで
クラヴ・マガの恐ろしいポテンシャルを見ることができます。