YouCanSpeak-α(英語の発音.com)のリスニング・発音練習の費用対効果は?
前回体験した「YouCanSpeak」は、スピーキングに特化した英語教材でしたが
今回の「YouCanSpeak-α(アルファ) 旧名:英語の発音.com」は、
同じくDr.木下による英語のリスニングと発音をオンラインで学べる教材になっています。
仕組みもスピーキング教材の「YouCanSpeak」とほぼ同じで
2年間、いつでも好きなだけオンラインの専用ページで
リスニングと発音を学べるようになっています。
こちらも体験版が用意されていましたので
その感想を書いてみたいと思います。
「YouCanSpeak-α(アルファ)」の発音学習法は
ネイティブの発音のお手本を聞いたあと、
自分も真似をして発音・それを録音してチェック、という流れになるので
マイクセットが必要になります。
マイクをセットしたら、早速始まります。
デモ画面では、日本人が特に苦手だとされている L、R を中心に
次々と課題が出ますので、
まず青ボタンでネイティブの音声を聞いてから、
自分も真似をして発音、赤ボタンでそれを録音していくという繰り返しになります。
それが一通り終了すると、画面が切り替わり
今度は今まで録音してきた自分の音声ファイルを使って
L、Rのリスニングテストに入ります。
これが結構恥ずかしいです(笑)。
自分の声を録音したものって、
普段自分が思っている声とは随分違いますよね。
そういう違和感と、他の人には自分の英語がこんな風に聞こえているのか・・・
という恥ずかしさがあります。
しかしこれも学習の一環で、こうして自分の発音を実際に聞くことで
狙った通りの発音になっているかがチェックできるようになっています。
YouCanSpeak-α(英語の発音.com) の詳細>>
ネイティブスピーカーによる個別発音チェック
そしてそれも全てやり終えると、こんな画面が出てきます。
どうやら「YouCanSpeak-α」の大きな特徴の一つは
ネイティブによる発音チェックが受けられるということのようです。
受講生はこうして録音した自分の音声を
更にネイティブの先生にチェックしてもらえる仕組みになっているんですね。
お手本を聞いて、自分の音声を録音してチェックする、というのは
手間をいとわなければ自分でも出来る発音練習ですが
このネイティブチェックが受けられるというのが、
この学習システムの強みのようです。
そしてこの発音練習をしていくことで
・明瞭な発音で自然なイントネーションが身につく
・不自然な間合いがあったり、詰まったりしない
・日本語にはない英語特有の発音を明瞭に発音することができる
こういった効果がのぞめるということです。
また「YouCanSpeak-α」は発音と同時に
リスニング力も鍛えることを目的としており
学習カリキュラムは、聞き取り練習から始まります。
具体的には link と rink と言った、まぎらわしい単語を聞き分ける訓練で
制限時間内に正解を選び、次々と進んでいくという方法になります。
このリスニング練習は、基本的に二者択一方式になっているので
最初のうちは、全く聞き分けができないと感じても、
繰り返し聞いているうちに
「L、R」などの微妙な音の違いが分かってくるという仕組みになっています。
そして最後に何パーセント聞き取れたかの結果が出て
それが学習記録としてデータ保存されるので、
100%出来るまで再挑戦をしてもいいですし、
合格ラインに達したら次へ進むことも出来ます。
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「YouCanSpeak-α」の具体的な学習内容は、以下のようになっています。
Study 1: 単語の聞き分け練習(32レッスン)
英単語の発音を聞いて、時間内に聞こえた単語を選択します(英語→英語)
Study 2: 文章の聞き分け練習(42レッスン)
英文を聞いて、時間内に聞こえた英文を選択します(英語→英語)
Study 3: 省エネ発音の聞き分け練習(40レッスン)
聞こえてくる英文に含まれる単語を時間内に選択します(英語→英語)
Study 4: 意味による単語の聞き分け練習(30レッスン)
英単語の発音を聞いて、時間内に聞こえた単語を選択します(英語→日本語)
Study 5: 意味による文章の聞き分け練習(42レッスン)
英文を聞いて、時間内に聞こえた英文を選択します(英語→日本語)
Study 6: 単語の発音区別練習(33レッスン)
与えられた英単語を録音して、自分の発音を自己採点した後、ネイティブスピーカーによる客観的な採点をします。
Study 7: 文章の発音区別練習(37レッスン)
与えられた英文を録音して、、自分の発音を自己採点した後、ネイティブスピーカーによる客観的な採点をします。
全7レベル、合計256レッスンで、
各レッスンに要する時間は10~35分になります。
そして合計256レッスンの内訳は
聞き取り練習が186レッスン、そして発音練習が70レッスンと
リスニングにより時間をかける設計になっています。
また「YouCanSpeak-α」の大きな特徴でもある、
ネイティブスピーカーによる採点は初回に35回分がセットになっていて
それ以上の採点をして欲しい場合には、別途有料で追加単位を購入する仕組みです。
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うーん、高いなあ・・・というのが本音
私が今回「YouCanSpeak-α」を体験してみて、
まず思ったのは、ちょっとこの内容では高いかなあ、ということです。
確かに2年間毎日でも練習できて、ネイティブのチェックも受けられますが
69,800円というのは強気な金額だなあと思います。
そう感じた理由ですが、
その1:具体的な発音法が分からない
ネイティブのお手本を聞いたあと、それを真似して発音する、というのは
英語発音の王道とも言える練習法だと思いますが、
本城式のイメージフォニックスを練習している身としては
大人が無意識にやってしまう
「近い音との置換え」が直せるのかな?という疑問が浮かびました。
kickはkikkuではないし、
himはhimuではない
果たして「YouCanSpeak-α」を通して
この違いをきちんと発音できるようになるのかどうか。
6万円を超える教材なわけですから、
やるならしっかりした成果が欲しいですが、
個人的にはちょっとそのあたりに疑問を感じました。
おそらくこうして耳から聞いた音を再現する練習では
模倣の能力が高い人ほど効果が高いのではないかと思います。
確かに繰り返し同じ音を聞き続ければ
何歳であっても、次第に音の違いは分かるようになると思います。
しかしその耳でキャッチした音を正確に発音となると
正直「模倣の能力が高い=年齢が若い人」ほど有利なのかな~という気がします。
もしくは歌が上手いとよくほめられる方。
こういう方は平均的な方以上に、聞いたとおりの音を出すのが上手い、
つまり模倣の能力が高い方ではないかと思いますので
そういう方には「YouCanSpeak-α」は効果的かもしれません。
ただし「ネイティブの先生による採点」は、私は実際に体験していませんので
もしかしたらこの段階で
よりしっかりした発音の技術が伝授されるのかもしれません。
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その2:リスニング練習なら他の教材でも出来そう
二者択一方式で、特に聞き間違いやすい音を徹底的に訓練するというのは
良い練習方法だと思いますが、そういうのは
「YouCanSpeak-α」でなくても出来るんじゃないかな~と思います。
リスニング練習用の教材は他にもたくさんありますので
何もこんなに高額でなくても、代用できるものはありそうです。
例えば私の今使っている「リスニングパワー」もリスニング教材なわけですが
これは「YouCanSpeak-α」のように特定の単語を聞いて訓練するわけではなく、
英語の周波数に耳を慣らすことで、
英語の聞こえ方を全体的にアップさせていくという方法です。
これも続けていくうちに、
かなりクリアにネイティブの音が聞き取れるようになりますし
価格も1万円台とリーズナブルです。
それに「リスニングパワー」なら一度買ってしまえば
何年でも制限なしに使い続けられます。
ですからこれをやっている身としては、
2年間で69,800円という
「YouCanSpeak-α」のリスニング練習はかなり割高に感じました。
それとこう言ってはなんですが
たとえLとRを聞き間違えたところで、
そうそう大問題に発展することも少ないのではないでしょうか。
自分が聞く場合でも話す場合でも
もしどうしても間違いが不安だったら、相手の方に
L as listen?(listenのLですか?)
R as real?(realのRですか?)
などと確認をすることも出来ます。
見るからに英語が母国語でない人に、
そこまで厳格な発音が求められる状況もあまりないのでは、と思います。
もちろん綺麗に発音できるに越したことはありませんが、
それにしてもこんなに高いお金をかけてまで、
この方法で練習することもないかなというのが、私の個人的な感想です。
どうせお金をかけるなら、スピーキング教材の「YouCanSpeak」の方が
金額も安いですし、返金保証もありますし
何より費用対効果が断然高いのではないかと思います。
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