for the heart is an organ of fire
映画「イングリッシュ・ペイシェント(THE ENGLISH PATIENT)」より:
for the heart is an organ of fire
ハートは炎と燃える器官だから
これは、アルマシー伯爵がキャサリンのことを思って綴った詞の一節で ジュリエット・ビノシュ扮する看護師が、 それを読み上げるという場面で登場する言葉です。 実はこのセリフ、私が organ「臓器・器官」という単語を覚えるきっかけになりました。 この映画、96年の作品なんですが、当時のCMかパンフレットか雑誌の記事か何かに よくフィーチャーされていたセリフだったんですね。 映画のPRでよく取り上げられていたのは この一節が特にロマンティックで象徴的なセリフだったからかもしれませんが 実はアルマシー伯爵の詞を通して読んでみると むしろその先に悲劇がある、ということを予感させるような言葉でもあるのです。 映画の公開当時はまだまだコドモで、 この言葉のロマンティックな響きしか理解できていませんでしたが 今回改めて10年ぶりくらいに見直して、やっとそういうことに気づきました(笑)。 あまりにも良い映画、名作の誉れ高い作品というのは やっぱり何年後かに見直した方が良いですね。 初めてその作品を見たころの自分は、それを見るには幼すぎて何も分かってなかった、 ということが分かりました(笑)。 もちろんそういう映画はただストーリーを追うだけでも楽しめますが 若輩者では気づかないような含みが、たくさん隠されているものなんだと思います。 この映画に対しては、まだ酒の味も知らない若者に、 35年ものとか40年もののウィスキーをガブ飲みさせたようなもので 「何ともったいないことをしていたのか!」と。 まさに I should feel obliged. という感じがしました。