昭和生まれの私は、まもなく終わる平成、そして新元号が始まれば、3代の元号を生きることになります。

祖母は明治、大正、昭和を生きた人で、子供の頃は長生きだなあ~と思っていましたが、私の場合、皇太子さまより年下なので、下手したら4代になるかもしれません(うわ~)。

この祖母にとって外国人といえばまずアメリカ人であり、空襲で若いうちに夫を亡くし、子供たちを抱えて苦労したこともあってか、生前は私の海外志向に良い顔をしていませんでした。

というか、自分の孫が外国や外国人に興味を持ち、彼らと友人になるなどとは考えていなかったという感じでしょうか。

それが今では街中でも頻繁に外国人を見かけるようになり、子供たちの幼稚園や学校では、外国人のクラスメイトも珍しくなくなりました。

もし今の時代に祖母が生きていたら、どんなことを思ったのかなと考えることがあります。

先日記事に書いた、ハワイで日本人夫妻が襲撃された事件、ああしたことを耳にすると、いつも祖母が言っていた「剣道か柔道か空手、自分の身を守る術を習いなさい」という言葉が浮かびます。

子供の頃から私はアメリカではなくイギリスに興味を持っており、祖母としてもイギリスは皇族の方々も勉強に行く国だし、まあアメリカよりは良かろうという意見で、ただし女が一人で行くのなら、護身術は習っておきなさいという考えでした。

女だからといって乱暴な男のいいなりにされてはいけない、お前が大男ばかりの国に行きたいというなら、せめて身を守る術を学んでからにせよ、ということで、正直ちょっと面倒くさいと思って、当時は適当に聞き流していました。

が、その後、短期間でもまあまあ使える護身術として、一時期クラヴマガを習いました。

そこでレッスンとはいえ唇が切れるくらいの打ち合いをして、(それでも手加減をしてくれている)男性の力はすごいものだと思いました。

幸い、渡航中にクラブマガを実践することはなく過ごせましたが、何の防御の知識もなく、人を拳で打つ練習(?)も経験してなければ、もしあんな不意打ちを食らえば命を落としてもおかしくないと思います。

海外に出るにあたり、英語などの語学はもちろんですが、不測の事態に備えた練習というか、護身術の心得は、やっぱり祖母の言う通りあった方が良いと思うようになりました。

実際に語学学校の友人も、同棲していた彼女がアパートの前で暴漢に襲われてしまいました。

そういう時、相手と互角に闘えないまでも、ほんの一時、時間を稼げれば逃げ出せる可能性もあります。

つかまれた腕を払いのけられれば、逃れられるかもしれません。

相手が武器を持っている場合もあるので、何がベストかは分かりませんが、何の術もないよりは、多少でもあった方が良いかなと思うのです。

祖母の考えは孫が外国に行くならという想定での事でしたが、これから日本にたくさん移民が入ってくるなら、治安は今より悪化することになると思います。

今まで日本人が普段日本に暮らしていて、自分の身を守る必要はあまり感じたことがありませんよね。

でもこれからは、必要になってくるかもしれません。

決して嬉しいことではないですが、世の中の流れはその方向に向かっていると感じます。
なので個人的には、学校の必修科目はダンスより武術でもやった方がいいんじゃないかと思っているんですが・・・。

ちなみになぜクラヴマガにしたかというと、修業期間が比較的短くても、実戦的な技が学べるからでした。

元々はイスラエル軍が女性を含む一般人を、短期間で効率よく戦闘力のある兵士に育てあげるために考案した格闘術なので、女性である私でもなんとかなるんじゃないかと。

自分が人を拳で打ったのはクラヴマガのレッスンが最初で最後ですが、当然人に当たれば自分も痛い(笑)ですし、拳は握り方を間違えると自分も指を骨折します。

一度暴力が起これば、自分も無傷ではいられないということです。

私も戦争を知らない世代なので、あのとき祖母がどんなことを思って武術を習えといったのか、その根底は分かりません。

でも自分がかつて暴力に屈する悔しさを経験したんだろうと思います。

空襲なんていうのも、その後に起きた混乱も含めて、庶民にとっては圧倒的な暴力だったでしょう。

どんどん日本と外国が混ざり合う昨今、あんまりのんびり暮らしていると、そのうち何処かからガツンと一撃やられそうで怖くなるときがあります。

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