ザ・メンタリスト シーズン2 第20話より:
go(straight) for the jugular
急所を突く
謎の宗教団体の教祖・スタイルズは
“目は魂の窓であり、才能を引き出す鍵”だというスローガンをかかげ
信者を集めている。
しかしスタイルズの胡散臭さを一瞬で見抜いたジェーンは
彼のスローガンをもじって彼を皮肉るのだった。
I use them to look at things,
僕の目は物を見るために使ってる、(ジェーン)
and what I’m looking at right now is a big fat liar.
で、今僕が見ているのは完全なウソつき。(ジェーン)
Really?
そうかね?(スタイルズ)
Really.
そうさ。(ジェーン)
(中略)
You know, now I see why Red John really enjoys sparring with you.
なぜレッドジョンが君とのやり合いを楽しんでるか、いま分かったよ。(ジェーン)
A worthy adversary, yeah?
相手にとって不足なし、そうだろ?(スタイルズ)
Yes… Straight for the jugular.
ああ・・・ 急所を突くね。(ジェーン)
Obviously, you struck a nerve.
明らかに、あなたが怒らせたからでしょ。(リズボン)
big fat 「見るからに、完全に、まったくもって、騒々しい」。
映画で「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」というのがありましたが
あれの原題は My Big Fat Greek Wedding「私の騒々しいギリシャ式結婚式」といった感じでしょうか。
big fat「大きく太った」、
つまり、みっちりたっぷりお腹一杯なほどそれで満ちているイメージが浮かびます。
前述の映画もギリシャ系の女性との結婚を決意したアメリカ人男性が
女性側の“ギリシャ式”に振り回されるというカルチャーギャップを描いたコメディです。
映画の内容からすると、big fat は「騒々しい」(ギリシャ側は子沢山で親戚が多い)とも取れますし
「完全に」(アメリカで暮らしていてもギリシャ式を守り続け、
アメリカ式の割り込む隙が無い)とも取れます。
一方このドラマのシーンでは「完全に、まったくもって」嘘つきという解釈なので、
文脈により対応する日本語は異なりますが、
big fat の基本のイメージは「みっちりたっぷりお腹一杯なほどそれで満ちている」というのが
今のところ私の中ではしっくり来ています。
sparring 「スパーリング、仲間内でやり合う」、ボクシングのスパーリングですね。
worthy「値する、価値がある」、adversary「敵、対向者」、
合わせて「好敵手、相手にとって不足なし」となります。
そして go(straight) for the jugular は直訳すると「頸動脈(最大の弱点)に向かう」、
それが転じて「急所を突く」となります。
頸動脈を切られれば致命傷ですから、そのくらいのダメージを食らう、
グサっと来た、という感じでしょうか。
ただしリズボンには struck a nerve「相手の癇に障った」、
あんたが先に彼の癇に障ったんでしょ、と言われてしまいます。