slippery slope
「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」より:
slippery slope
危険な道のり、破滅へ向かう坂
「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」は、 ITセキュリティ会社で働く青年・エリオットが、天才的なハッキング能力を駆使して 社会の仕組み(借金、不本意な労働等々)に苦しむ人々を解放しようと 世の中を陰で牛耳るEコープに戦いを挑むというストーリーです。 エリオットの武器はITの知識と技術だけ、お金もコネもない。 片や相手のEコープは世界中で多角的経営をする大企業体。 そんな彼がどうやって戦いを挑むかというと 厳重に守られたEコープの中枢データを破壊する事で、 各種ローンや借金をチャラにし、富の再分配を行うのがそのプランで 彼をこの計画に目覚めさせるのが“MR. ROBOT”という謎の人物。 デジタルなデータに縛られている世界を一緒に変えよう、とエリオットをたきつけ 迷いながらもこのプランに手を貸す・・・というのが第一話のストーリーです。 頭の中の誰かと会話をするという形式で、視聴者に彼の思考が伝わるという手法が取られており 物語のオープニングもそのようになっています。
"Hello, friend?" That's lame.
「やあ、君?」なんてダサいな。(エリオット)
Maybe I should give you a name.
君に名前を付けるべきかな。(エリオット)
But that's a slippery slope. でもそいつは危険だ。(エリオット) You're only in my head. 君は僕の頭の中にいるんだから。(エリオット) (中略)
I'm talking about the guys no one knows about.
君に誰も知らない奴らの事を話す。(エリオット)
The guys that are invisible.
誰の目にも見えざる者たち。(エリオット)
The top one percent of the top one percent.
上位1%のそのまた頂点1%。(エリオット)
The guys that play God without permission.
勝手に神様ごっこをしてる連中のことだ。(エリオット)
And now I think they're following me.
どうやら俺は今、彼らの標的になったらしい。(エリオット)
maybe I should~ 「~した方がよいかな、~した方がいいかも」。 そして slippery slope は直訳すると「滑りやすい坂道」、 それが転じて「危険な道のり、破滅へ向かう坂」。 一つ何かの前例を作れば、そこからなし崩しに物事が崩れていく、 または、些細なきっかけから大事に発展してしまうなど 「物事が良くない方へ転がるきっかけとなり得る事柄」を意味します。 彼がこの時点で、頭の中の誰かに名前を付ける事をためらった理由は定かではありませんが、 カウンセリングにかかっている描写があるので その辺りと関係があるかもしれません。 invisible 「目に見えない」。 permission 「許可、許諾」、 ここでは without permission(無許可)=「勝手に」という解釈です。 第一話から視聴者をグイグイ引き込む展開で、先が見たくて仕方ないと思わせる魅力があります。 謎の人物“MR. ROBOT”をクリスチャン・スレーターが演じていて いい感じにヨレっとした風貌が、得体の知れなさを醸し出しています。 しかし“MR. ROBOT”のプランがもし成功したら・・・と 見ている人が皆、自分の状況に置き換えて考えるはずです。 銀行の残高、カード会社への支払い、奨学金のローン、住宅ローン、 こういったものは全てデータで管理されているのだから もしそのデータを誰かがこっそり書き換えたら、なるほどそれは富の再分配かも、 と思わせる説得力があります。 ※「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」は Amazonプライムで視聴出来ます(2016年11月現在)。