「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」より:

wealth redistribution
富の再分配


すんでのところでサーバーへの乗っ取り攻撃を阻止したエリオットは
この一件で社内での評価も高まる。

このお手柄は幼馴染のアンジェラを救う事にも繋がり、ほっとしたのもつかの間、
彼のもとに“MR.ROBOT”を名乗る男が近づいてきて
あの攻撃は腕の良いハッカーを見つけるためのテストだったと言う。

エリオットはこの男をサイバー犯罪者としてFBIに引き渡そうと考えるが
次第に男が語る、ある壮大な計画に惹きつけられていくのだった。

Money hasn’t been real since we got off the gold standard, it’s become virtual.
金本位制が終焉して以来、カネはヴァーチャルになった。(MR.ROBOT)

(中略)

What if you could take down one conglomerate?
もしあるコングロマリットを倒せるとしたら?(MR.ROBOT)

(中略)

Every record of every credit card, loan, and mortgage would be wiped clean.
全てのカード、借金、住宅ローンがなかった事になる。(MR.ROBOT)

(中略)

The single, biggest incident of wealth redistribution in history.
こいつは過去にない規模で起こる、富の再分配だ。(MR.ROBOT)


gold standard 「信頼できる判断基準、黄金律、目標となる基準」
更に金を裏づけ(基準)とする貨幣制度=「金本位制」という意味で使われます。

virtual「虚像」、real の反意語であります。

take down「(高所から物などを)降ろす、(今の位置、立場より下に)降ろす」、
ここではコングロマリットを「倒す、やっつける」といった意味で使われています。

mortgage「抵当、担保、不動産(住宅)ローン」。

MR.ROBOTのセリフでは loan と mortgage という言葉が出て来ます。

どちらも「借金」と受け取れる単語ですが、loan は「担保無しの借金」、
mortgage は「担保有りの借金」という違いがあります。

カードで出来るキャッシングなどは loan(特に借金のカタを要求されない)、
住宅ローンは mortgage(多くの場合、その家が借金のカタになっている)。

そして wealth redistribution は「富の再分配」(redistribution of wealth も同義)。

ピケティの本などの影響で、近頃聞く機会の増えた言葉の一つだと思います。

まあ普段、経済用語にはトンと縁がないので、こういう言葉を見つけた時は
すかさずチェックです。


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