カッパドキアとパムッカレへの旅を手配しようと、
ある旅行代理店に目をつけた私でしたが
その理由は単純で、
どうやらトルコ人以外の、
おそらくドイツ人がやっていそうなところだったからでした。

実はトルコに来て以来、トルコの人たちの商売熱心さ、
言いかえるとしつこさに、内心辟易していたのです。

彼らは確かに日本人に好意的な感じだし、
人なつこいというか、話しやすい雰囲気があるのですが
少し話を聞くと、もうちょっとやそっとでは開放してくれないような
これでもかと踏み込んでくるような強引さも感じていました。

情の深さ、親切さも伝わってくるものの
毎度毎度では疲れてしまうのが本音でした。

ですからもう少しサラっと、
値段もあまりふっかけてこなさそうな所で
旅の手配をしたかったわけです。

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スルタンアーメットから眺めるモスク(wikipediaより引用)

トルコはドイツと政治的・経済的に縁が深いようで、
街を歩いていると、イスラムの国にしては意外に思えるほど
ヨーロッパ系の人たちを多く見かけます。

そしてそんなヨーロッパ系の人たちが
何度かその代理店に出入りするのを見ていたので、
おそらく彼らが経営しているのだろうと考えたのです。

「さて、行ってみますか・・・」

若干緊張しながらドアを開けると
20歳そこそこくらいのトルコ人の女性が、
にこやかに迎えてくれてくれました。

私がカッパドキアとパムッカレに行きたいのですが、
と伝えると、
「今係りの者が参りますので、お待ちください」
と、カウンターに案内してくれて、チャイを出してくれました。

チャイを飲みながら
端に置いてあったパンフレットをパラパラめくっていると、

「Hello, Can I help you?」
と、トルコなまりの英語が聞こえました。

あれ?と思い振り向くと、
スーツを着込んだ、私と同じ年くらいのトルコ人男性が立っていたので
私は内心「ミスったか」と思いつつ、
国内旅行の手配をしたいと伝えました。

すると彼は
「OK。でも今ボスが留守なので、明日の朝来てもらえませんか?」
とのこと。

ああ、じゃあそのボスがヨーロッパ系の人なんだろう、と納得したので
「分りました、じゃあまた明日来ます」
と、しつこいオファーが始まる前にさっさと帰ろうとすると、
「Where are you staying now?」
と聞いてきます。

「Why?」
と返すと、
「If you’re staying cheap hotel,
I can offer you a better hotel at the same price.」

今払ってる部屋代と同額で、もっといいとこ紹介できるよ、
というわけです。

ハイハイそう来たか・・・と思いつつも興味がわき、
一応ドミトリーで700円だけど、もう連泊分のお金も払ってある、
と伝えてみました。

すると

「If you want to stay a better hotel, I can talk to the maneger.
I may know him. Where is your hotel? 」
(もし君がもっといいホテルに移りたいなら、僕が話をつけてあげるよ。
知り合いかもしれないし。どこに泊まってるの?)

と食い下がります。

さてどうしたものか・・・
あなたならこんな時、どうしますか?

(次回に続く)


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