モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン1 第10話より:
smitten with~
~に夢中になる、~にぞっこん、~に心奪われる
ロドリゴのNYデビュー公演は、ソリストの途中退場というトラブルに見舞われるが
彼の機転と、聴衆として会場に来ていたトーマスの助けをかりて
最終的に大成功で幕を閉じる。
さらにヘイリーにとっても、この公演は忘れられないものとなる。
遅刻により開演に間に合わなかったベティ・クラグデールの代役として
本番のステージに上がる機会を得たのだ。
親友ヘイリーの晴れ姿を観客席から見ていたリジーは
偶然隣り合わせたブラッドフォードと意気投合、
終演後のヘイリーに彼を紹介する。
そしてヘイリーの演奏を袖から見ていたベティから、
彼女は嬉しい言葉をうけるのだった。
Oh, this is Bradford Sharpe.
この人は、ブラッドフォード・シャープ。(リズ)
He’s smitten with me.
あたしに夢中なの。(リズ)
Who wouldn’t be.
その通り。(ブラッドフォード)
(中略)
Hailey Rutledge!
ヘイリー・ラトリッジ!(ベティ)
My idiot driver took me to the Hoboken Dinner Theater Playhouse,
バカな運転手にホーボーケンまで連れて行かれたのよ、(ベティ)
for some reason.
どういうわけかね。(ベティ)
Anyway, you were okay.
とにかく、及第点だったわ。(ベティ)
Thank you. Not as good as you would have done it.
ありがとうございます。 あなたには及びませんけど。(ヘイリー)
No, of course not. But still Congratulations.
当たり前でしょ。 でもおめでとう。(ベティ)
Thank you.
どうも。(ヘイリー)
See you Saturday.
また土曜日に。(ベティ)
Okay. 7:00?
はい。 7時でしたっけ?(ヘイリー)
No, 6:30.
6時半よ。(ベティ)
smitten with~ は「~に夢中になる、~にぞっこん、~に心奪われる」。
smitten の原型は smite「強打する、打ち倒す、(人の心を)強く打つ」ということで
(その人の魅力に)ガツンとやられた・打ちのめされた
=「~に夢中になる」となります。
Who wouldn’t be(誰がそうならずにいられるか)=「その通り」。
for some reason「何らかの理由で、どういうわけか」。
実はベティの遅刻は、恐らくロドリゴが仕組んだもので
それはベティのせいで自信を失っているヘイリーをステージに立たせるため、
またそのことをベティもこの時点では感づいていたと思われます。
そして次の okay は日本でもオッケー、良いよ、了解、といった意味で使われていて
どうでしょうか、okay は“良い”という感覚がありませんか?
でもベティのセリフでは okay は「まあまあ、及第点」で「良い」ではありません。
実はこの okay というのは「駄目じゃないよ、まあ大丈夫だよ」といった感じで
「良い」という意味ではあまり使われないんですね。
もしベティがヘイリーを率直に褒めたいならば、okay は出て来ません。
例えば友人の発表会などで、もし you were okay などと言ったら
(ベティのようにその道のプロでもない限り)
上から目線に聞こえるので、そこは気を付けたいところです。
ただこのシーンでは前段階で、ベティがヘイリーに
“例え死ぬほど頑張ってもあなたは二流止まり”と宣言するシーンがあり、
それからすれば okay「まあまあ」はヘイリーにはかなり嬉しい、とそういう感じです。
ベティの okay に救われたヘイリーは
レッスン時間について軽口を叩けるくらい、気持ちが明るくなったようです。
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