先日から「The fate of antiques and heirlooms in a disposable age -「使い捨て時代のアンティークと家宝の運命」を読んでいます。
・「使い捨て時代のアンティークと家宝の運命」(1)
・「使い捨て時代のアンティークと家宝の運命」(2)
Traditionally, objects at least 100 years old were considered antique
従来は、100年以上前の物がアンティークとされており、
- that was the minimum threshold put in place by the most prestigious antique fairs and showrooms.
それは一流のアンティーク見本市や展示場が設定している最低限の基準だった。
threshold「敷居、入り口、初め、発端、閾(いき)」。
But as demand for antiques has been in steady decline in the West for decades, values have changed.
しかし、欧米では数十年前からアンティークの需要が右肩下がりで、価値観も変わってきている。
In 2009, the Winter Show, a high-end New York antique fair, relaxed their rules to include objects manufactured up to 1969, adjusting to incorporate the fashion for mid-century furniture.
2009年、ニューヨークの高級アンティーク見本市・ウィンターショーでは、ミッドセンチュリー家具の流行に合わせて、1969年までに製造されたものを対象とすべく規定を緩和した。
incorporate「合体・合同させる、合併・編入する、法人組織にする、具体化する、組み入れる」。
Later, in 2016, they set no minimum age limit at all, because contemporary objects were more sought-after.
その後2016年には、現代的な物の需要がより高まったために、最低年数制限を一切排除した。
sought-after「珍重される、ひっぱりだこの、引く手あまたの」。
In the 2018 Winter Show, a modern, 7ft-tall (2.1m) porcelain “medallion” retailing at $250,000 (£198,500) was described by the fair’s director as “probably one of the most Instagrammed pieces in the entire fair”,
2018年のウィンターショーでは、高さ7フィート(2.1m)のモダンな磁器製「メダイヨン」が25万ドル(約2,800万円)で販売され、ディレクターはそれを「おそらくフェア全体で最もインスタ映えする作品の一つ」と表現、
showing how buyer tastes have changed and success of antique dealing is now measured.
これによりバイヤーの好みの変化と、これからの古物取引の成功法が示された。
“Since 2000, the world of antiques has suffered a dramatic downturn and in retrospect, I can understand why,” says Caroline de Cabarrus, an interior design consultant in the UK.
「2000年以降、アンティークの世界は劇的な落ち込みを見せていますが、振り返ってみるとその理由がわかります」と語るのは、英国でインテリアデザインのコンサルタントをしているキャロライン・ド・キャバルス氏。
in retrospect「今から考えてみると、過去を振り返って」。
“By the 1990s, the worldwide demand for English antiques had pushed prices to unprecedentedly high levels.
「1990年代に入り、英国製アンティークの需要は世界的に高まり、価格はかつてないほど高騰しました。
This encouraged inferior quality, mass-produced Georgian-style reproductions to appear on the market.”
それにより粗悪なジョージアン様式の大量生産品が市場に出回り始めました。」
Soon these became ubiquitous for furnishing kitsch pubs, B&Bs and hotels.
それらはやがてキッチュなパブやB&B、ホテルの調度品として、そこら中に溢れかえった。
So instead of antiques, many interior designers turned to neutral flat-pack furniture.
そこで多くのインテリアデザイナーは、アンティークの代わりに、ニュートラルな平箱包装(組立)家具を採用するようになる。
なるほど~、前の記事のヒゲの話もそうですが、世の中にある物が溢れかえると、その真逆が魅力的に映り出すというのは、スタイリングやファッションだけでなく、どんな分野にも共通なのでしょうね。
ジョージアン様式の家具を検索して見たところ、シャーロック・ホームズ(グラナダTV版の)の部屋の家具みたいな感じですかね、木製の猫脚テーブルや椅子に、模様の入ったカーペット等々。
ヨーロピアン家具と聞いてパッと思い浮かぶ、ロココじゃない茶色い方、みたいな(笑)。
とにかくこれ系の家具(のレプリカ)が英国中で溢れかえったので、それとは逆のシンプルで直線的な組立家具 flat-pack furniture が好まれる流れに変わっていった、その結果、アンティークの人気はどんどん落ちていったと。
でもこれが溢れかえると、また逆の揺り戻し(アンティーク人気復活)も来るんですよね、というかもう来ている感じもします。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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