英語をきっちり学んで正確な英語を心がける、流ちょうに話せることは確かに素晴らしいことで、私はそういう人に憧れています。
ただイッテQの出川哲郎さんの英語でおつかいするシリーズ、あれを見ていると、河北麻友子さんの綺麗で流ちょうな英語を時に圧倒するほど、勢いで突破する出川さんの方が楽しそうで、コミュニケーションも出来ているように見える時があります。
これと似たことは、イギリスでも意外とよく見かけました。
クラスでも大変成績が良く綺麗な英語を話すAさん、ノリと勢いと日本語交じりのBさん、そして私の日本娘3人で、ある夜ロンドンのクラブに繰り出したことがありました。
ああいうところは大体音楽もうるさいですし、私は踊るのが好きなので、あまり他の人と会話もせず、ひたすらフロアで踊っていました。
喉が渇いたので自分たちのブースに戻ってみると、Bさんが声をかけたらしい男子のグループとお話し中。
ええ~っと思いつつ私もその輪に加わってみると、どうやら男子たちはイギリスではそこそこ有名な雑貨メーカーで働いているとかで、何とBさんは「バイトしたいので雇って欲しい、仕事のクチはないか?」と会ったばかりの彼らに相談しています。
私は密かにまあこんな場所で酔っぱらっているかもしれない人に言っても、うまくいくはずないでしょ・・・と、思っていたんですが、驚いたことに後日、Bさんは本当にアルバイトを斡旋してもらったのです。
日本語も英語もバッチリ大丈夫!と売り込んで、日本人も多く来店する路面店の販売スタッフになっていました。
始めた当初は「電話を取ると、相手が何言ってるのかほとんど分からなくてツライ」と言っていましたが、その後もめげずにバイトを続けて、留学中の3年間、その店に勤め続け、正式採用のオファーまでもらっていました。
出川さんを見ていると、このBさんをすごく思い出します。
正直言うと私から見て当時、一番英語が出来たのはAさんで、Aさんは永住希望だったのですが、就職活動が思うようにいかず、その後帰国。
一方、永住するつもりはなく(というか、本人自身がこんな英語力じゃ多分無理やろ、と言っていた)、何となくノリと度胸で人の好さそうなお兄さんに声をかけ、バイトを見つけたBさんが長くイギリスにとどまることになった。
何だか不思議ですが、礼儀正しくお行儀良く道を進むばかりでなく、時には元気よく脱線してみた方が欲しい物が手に入ったりすることもある。
イギリスに留まることを目的と見た場合、成果をあげたのはBさんの方だったというのが、へえ~、と衝撃的でした。
私が見ていると、出川さんとBさんに共通するのは「瞬発力と熱量」で、要はどうにか話を聞いて欲しい!分かって欲しい!という気持ちが前面に出ていて、それが相手の心をつかんでいるという点です。
出川さん、イギリスにも上陸してます
私も含めて日本人にありがちなのは、遠慮がちに話すことと、ちょっと聞き返されると、あ、大丈夫です・・・と引っ込んでしまうこと。
特に2番目の「やっぱりいいです」は、人によっては本当に嫌がられます、というか、嫌がれたことあります・・・(汗)。
一回口火を切ったら、そのディールが終わるまできっちり詰める、やり取りを止めない、出川さんとBさんはこれが出来る人だと思います。
こちらの様子を見て意図を組んでくれる、こういう優しい人もたくさんいますが、こちらが自信なさげにしていると、取り合わない人も多いです。
これに傷ついてしまうと、もっと話しかけるのが怖くなってしまいます。
大げさですが、こちらから話しかけたら勝負の始まりで、仕掛けた方から諦めるなんてあり得ない、そのくらいの心構えで(でもにこやかに)堂々とした方が良いのです。
向こうは一目見れば、こちらが東洋人と分かりますから、その時点で大して英語は出来ないだろうと予測しています。
だから流ちょうでないのは問題ではなく、堂々と伝えたい事に集中して話をすれば、大抵どうにかなるものです。
私もいまだにアー、ウーんと・・・となりますが、そういう時はBさんの情景を思い出して(笑)どうにか強気を取り戻しています。
イッテQの出川さんの方法は英会話としてはベストではないでしょうが、毎回勇気づけられています。
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