近頃はハーフの子も珍しくなくなりましたが、昭和生まれの日本人は、特に地方に住んでいると外国人と接する機会は非常に少なかったのです。

小中高時代「ベストヒットUSA」やMTVを通じて洋楽を知り、世の中にはこんなカッコいい人がこんなカッコいい音楽をやっているのかと、外国への興味に目覚めました。

とりあえず英語は中学校から勉強が始まったものの、外国人など周りにいるはずもなく、自分の英語は果たして通じるのか?しばらく試すチャンスもないままでした。

当時は英語だって日本人の先生に習うだけで、ALT制度なんてありません。

ただ当時の私の友達がアメリカに住む親族のいる人で、彼女から生のアメリカ英語をポツポツと教わることが出来ました。

結局、本当にネイティブの外国人と話すチャンスに恵まれたのは、高校時代のホームステイでオーストラリアに行った時で、初めてホストファミリーと会話を交わしたときは、ついにこの時が来たか!と、とても興奮したのを覚えています。

しかしコテコテのカタカナ英語で、とにかくRの音が出来ない、Ryan というその家の子供さんの名前が分かってもらえない、何度やってみても彼には Lion と聞こえてしまうという経験もしました。

オーストラリアでは色んな人と話をすること、通じることが嬉しくて、一人でスーパーにも行ってミートパイを買い食いしたり、特に食べたくもないのに、頻繁に学校のそばの商店でスナックやクッキーを買ったりしていました。

最近地元のイベントで、このオーストラリアのミートパイを売っているトラックを見つけて、思わずこの時の思い出がよみがえりました。

聞けば店主さんはオーストラリア人、奥様は日本人で、普段は近県で手作りのミートパイを売っているとのこと。

本当に何度も言ってますが(笑)、こんな田舎町に外国人が普通に住んでいるなんて、信じられない時代になったものです。

更に突っ込んで聞くと、近いエリアにオーストラリア人のマスターがやっているパブもあるとのこと。

車でないと行けないのが難点ですが、近々訪ねてみたいと思っています。

たまたまミートパイを買っただけなのに、なんだか不思議な展開ですが、これも英語をコツコツやっていたおかげと思います。

こんな感じで、少し言葉が分かるだけで広がる世界が、こんな田舎にもあったようです。


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