先日から「The Arctic Circle: A new frontier for sustainable wine -「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」を読んでいます。

北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア


・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(1)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(2)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(3)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(4)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(5)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(6)
・「北極圏:サステイナブルワインの新たなフロンティア」(7)

Price relative to quality is another limiting factor.
また品質に対する価格も、市場拡大を制限する要因の一つだ。

“[Swedish wine] is quite good but not extraordinary good,” added Per Karlsson, a Swedish wine writer and co-founder of BKWine Magazine,
「(スウェーデンのワインは)かなり良いが、特別良いわけでもない」と述べるのは、スウェーデンのワインライターで、BKWine Magazineの共同設立者であるカールッソン氏、、

noting that a single bottle can sometimes cost up to 30 euros.
そして1本が30ユーロすることもあると指摘する。

“Labour is expensive and quite frankly, even if though it’s slightly warmer today, it’s still a challenging climate.
「人件費は高く、正直なところ、今は少し暖かくなったとはいえ、厳しい気候であることに変わりはありません。

There is also a huge challenge from a marketing perspective.
また、マーケティングの観点からも大きな課題があります。

People tend to drink wines that they’re familiar with.”
人々は慣れ親しんだワインを飲む傾向にあるのです。」

That familiarity, however, might eventually change as the climate crisis alters the chemistry of wine.
だがその親しみやすさも、気候変動によるワインの化学的性質の移り変わりで変わってくるかもしれない。

Hotter temperatures make grapes produce more sugar, which is then converted to alcohol.
気温が高いとブドウの糖度は上がり、それがアルコールに変化する。

“We’ve seen slightly higher alcohol in many places.
「やや高めのアルコール度数が世界各地で見られるようになりました。

There’s been a move worldwide from roughly 12%, maybe 100 years ago as an average, to about 14% today,”
100年前の平均度数は約12%でしたが、現在では約14%にまで上昇しています。

said Gregory Jones, wine climatologist and CEO of Abacela Winery in Oregon.
と語るのは、ワイン気候学者でオレゴン州のアバセラ・ワイナリーのCEOであるグレゴリー・ジョーンズ氏。

High alcohol levels are desirable if the producer is going for a full-bodied dry red wine,
フルボディの辛口赤ワインを作るなら高いアルコールレベルは望ましいが、

but in places like Champagne, growers have had to adapt drastically in order to retain brightness in their sparkling wines.
シャンパーニュ地方などでは、スパークリングワインの輝きを保つため、生産者は大幅な適応を求められた。


drastically「徹底的に、思い切って」。

One of the distinguishing features of cool climate wine is its relatively low alcohol content
冷涼地ワインの特徴の一つは、アルコール度数が比較的低いことで

- an envious and harder-to-achieve trait for producers located down south.
これは南半球の生産者にとっては羨ましいことだが、実現は難しい。



気候が変わると、育つブドウの質も変化し、それによってワインの味わいも変わる。

ベテランのソムリエたちも、ある銘柄の味として長年記憶したものが近年変化していて、それに対応するのが年々難しくなっているそうです。

自分の舌の記憶と知識を新たに上書きしなきゃならない、しかしそれも年々更に変化していく・・・そういう状況みたいです。

それと北欧産ワインは白とスパークリングの話ばかりだなと思っていたら、涼しい気候に適したのがそれだったというのが分かりました。

一方でシャンパーニュ地方はどうなっていくんでしょうね・・・。

この土地のものしか「シャンパン」と呼べない決まりですが、気温が高くなるほど作れなくなるのなら、いつの日か「シャンパン」は消えていくことになるのか・・・。

まあ普段からスパークリングしか縁の無い身ではありますが、特別な日の一杯として、いつまでも輝いていてほしいものです。


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