昨日は早朝から素晴らしいニュースが飛び込んできました。

テニスの4大大会の一角をになう全米オープンにて、
日本人初の男子シングルス決勝進出を果たした錦織選手のニュースです。

私もテニスのルールを調べながらのニワカ観戦だったにもかかわらず、
錦織選手が接戦の末、第3セットを取った辺りから、体中の血が沸き立つような興奮を覚えました。

見事ジョコビッチ選手に勝利した彼はまた爽やかな笑顔で
現地の女性インタビュアーに流暢な英語でコメントを延べていて
今この瞬間にも、世界中に彼のファンが急増しているんだろうなあと思いながら見ていました。

そういうわけで今回は、今朝の彼の偉業を称えている
NYタイムスの記事を見ていきたいと思います。

まだ終わっていない

You’re not done yet.
まだ終わっていない。


これは錦織選手のコーチである、マイケル・チャン(Michael Chang)氏の言葉です。

his coach Michael Chang has kept reminding him, “You’re not done yet.”
彼のコーチであるマイケル・チャンは、彼に「まだ終わっていない」と言い続けてきた。


remind 「(人に)思い出させる、思い起こさせる」。

スマホやPCのスケジュール管理機能のことを“リマインダー”と言ったりしますが
そのリマインドですね。

蒸し暑い

muggy
蒸し暑い、うっとうしい


His victory on a muggy Saturday afternoon made him the first man from Asia to reach a Grand Slam singles final.
蒸し暑い土曜の午後の彼の勝利は、アジア人初のグランドスラム決勝進出をもたらした。


特に欧州からやって来た外国人にとって、日本の夏は非常に muggy と感じるようで
私の知り合いも「何度シャワーを浴びても、自分が汗じみているように感じる」と言っていました。

今回の対ジョコビッチ戦の実況でも、今日は本当に hot だ、muggy だと
何度かコートの高い気温を話題にしていました。

たくさんの人が見てくれているといいな

I hope a lot of people are watching.
たくさんの人が見てくれているといいな。


これは試合会場で女性インタビュアーが錦織選手に
「きっと日本でも凄い騒ぎでしょうね」と質問した際の、彼の答えだったと思います。

“It’s, I don’t know, 4 o’clock in the morning,”
「いま日本は早朝4時ですから、どうか分かりませんけど」

Nishikori said afterward of the time in his homeland, Japan. “But I hope a lot of people are watching.”
と、錦織は自身の母国・日本の時間について述べた後「でも、たくさんの人が見てくれていると嬉しいですね」と語った。



母国

native country
母国


Nishikori, 24, who left home at 14 to train at the IMG Academy in Bradenton, Fla.,
24歳の錦織は、本格的にテニスの腕を磨くべく、14歳でフロリダのIMGアカデミーに入学、

has long been a tennis star in his native country
母国のテニス界ではすでに長いことスターであった。


この IMG Academy というのは、調べてみたらアンドレ・アガシやピート・サンプラス、
モニカ・セレシュ、マリア・シャラポワと、錚々たるスーパースターを育ててきた
世界屈指の名門校だそうです。

錦織選手は盛田ファンドという、ソニー創業者一族が立ち上げた基金の支援を受けて
このアカデミーで学んでいたそうで、中には年間約600万円という授業料を払いきれず
途中で辞めていく生徒さんもいるとか。

日本を代表する世界的大企業も、今回の大勝利に一役買っていたんですね。

言い訳にはならない

no excuse
言い訳にはならない


“Same for both players,” Djokovic said.
「それはお互い同じことだ」とジョコビッチは言った。

“It was not easy to play in these conditions,
「あのようなコート環境でプレイするのは簡単じゃなかった」

but also he had more hours spent on the court. So it’s no excuse.”
「けど錦織の方が数時間長くプレイしていたのだからね。それは言い訳にはならないよ。」


気温32度を超えるコートでの、2時間52分の試合を終えた後の
このジョコビッチ選手のコメントには、スポーツマンシップを感じますね。

全く程遠い

not even close
全く違う、程遠い


さらにジョコビッチ選手のコメントが続きます。

“Other than the second set, my game today was not even close to what I wanted it to be,”
「第2セットを除いては、今日は自分の望む試合内容とは程遠いものになってしまった。」

he said, adding, “I just wasn’t myself.”
彼は言った、そしてこう付け加えた。「本来の自分ではなかった」と。


とは言えやっぱり悔しい(当然でしょうが)、というジョコビッチ選手の心情が伺えるコメントですね。

静かな自信と気骨

poise
落ち着き、静かな自信、威厳、身のこなし


grit
気骨、闘志、不屈の根性


ジョコビッチ選手のコメントを受けて、記事はこう締めくくられています。

That was undeniable.
確かにそれは否定できない。

But what was also undeniable on this pressure-filled afternoon was Nishikori’s poise and grit.
しかし重圧に満ちたこの午後に、錦織の見せた静かな自信と不屈の根性もまた、否定できないものであった。


poise も grit も、こんな短い単語に、よくまあこんな重厚な意味合いを詰め込んだなあ・・・
と思ってしまいましたが、こんな風に錦織選手を評してくれているのは嬉しいですよね。

決勝戦、錦織選手がまたも世界を驚かせてくれることを期待したいですね。



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