ザ・メンタリスト シーズン1 第20話より:

push one’s buttons
人を怒らせる、人をその気にさせる


元マフィアでFBIの証人保護プログラムで守られていたエドが殺された事件は
彼を保護していた捜査官が関与していた可能性が見えてきた。

二人一組でエドを保護していた捜査官は
このCBIの推測に激しく反発し、自分の相棒を疑うジェーンらに怒りを抑えきれない。

Oh, you little son of a bitch.
お前、いい加減にしろよ。(捜査官)

I’m sorry. I’m just thinking aloud.
すみません。独り言ですよ。(ジェーン)

No offense.
怒らないで。(ジェーン)

Yeah, right. No offense.
ふん、よく言うよ。(捜査官)

None taken.
聞き流して。(ジェーン)

Well, you certainly pushed his buttons, didn’t you?
全くあなたって人は、確実に彼を怒らせたわよ。(リズボン)


think aloud 「独り言をいう、アイディアを喋りながら考える」。

頭の中だけで考えず、人に語りながら同時に考えることで
冴えた案が浮かぶこと、ありますよね。

そういう行動が think aloud です。

no offense 「怒らないで、悪気はないんです」。

相手にとって嫌かもしれない話、耳の痛い話をする際、前置きとして
no offense, but… みたいな感じで使われることが多いと思います。

次の捜査官のセリフは実際にドラマを見ると明らかで
文章だけ見ると、ジェーンに賛成しているように見えますが
実際には「それだけ失礼な事を言って怒るなだと?よく言うよ」と
話し方に呆れたニュアンスが込められています。

none taken 直訳すると「受け取らない、手に取らない」といった意味で
それが転じて「真に受けないで、聞き流して」となります。

そして push one’s buttons は「人を怒らせる、人をその気にさせる」という意味で
今回のジェーンは捜査官の“怒りのボタン”を押しました。

この表現は多くの場合「人を怒らせる、神経を逆なでする」という意味で使われますが
他にも例えば営業マンがする push his(her) buttons なら
男性客(女性客)の“購買欲のボタンを押す”= 商品をお客に買わせる、という意味にもなり得ます。

この場合、意図的に自分の望む(自分の利になる)行動を相手に取らせる、という事で
共通するイメージとしては
「自分の行いをきっかけとして、相手に何らかの行動を起こさせる」という感じでしょうか。

今回のジェーンにも捜査官を怒らせることで得られる利(事件の解決)がありますから
そういう意味では両方の意味にあてはまると思います。



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