時間を忘れて引きこまれる「Empire/エンパイア 成功の代償」

「Empire/エンパイア 成功の代償」はシーズン１はＷＯＷＯＷで、
シーズン２はHuluで見ています。

ゲットーから身一つ、音楽一本でのし上がり、
Empire というレーベルを成功させたルシウス・ライオンと彼の元妻・クッキー、
そして３人の息子たちの物語です。

アメリカのブラック・ミュージック界を舞台に
家族の絆、後継者争い、夢、成功、陰謀、挫折・・・が描かれており
毎回、印象的なオリジナルスコアが聞けるのも大きな魅力になってます。

ルシウスとクッキーはゲットーで夫婦となり、子供をもうけ
二人三脚で音楽界での成功を目指し、それを成し遂げたカップル（元夫婦）という設定なので
二人とも（特にクッキー）バリバリのブラック・イングリッシュで
ババババっ、と独特のリズムでセリフをまくしたてるのですが
それが結構気持ち良く、気風の良いクッキー姐さんが大好きになってしまいます。

登場人物の６～７割はブラックというドラマで
ブラック・イングリッシュのシャワーを浴びるような感じなのですが
ルシウスが息子の不祥事をテレビで釈明するというシーンで、
出演前に“白人たちを怖がらせない話し方と英語”を練習するシーンがありました。

でもそれはあくまでも白人向け、メディア向けのものであって
自分たちのブラック・コミュニティでは同じ話し方はしないのです。

また次男がゲイである事がルシウスの中では消化出来なかったのか
幼かった次男を通りのゴミ箱に捨てるシーンや、長男の鬱病を認めたがらないなど
現代アメリカに生きているといっても
彼らは（少なくともルシウスは）ゲイや精神病に対して
世間の潮流とは違う考えを持っている様子も分かりました。

英会話の参考という意味では、真似して使うのは難しいと思っていますが
ほかのドラマではなかなか掘り下げないような彼らの本音や白人層との対立など
周囲はほとんど自分と同じ人種という国に住んでいる私にとっては、
はっとさせられるシーンも多くて、回を追うごとに虜になっているドラマです。

ルシウス＆クッキー・ライオンはよくも悪くも全くヤワでなく、
大富豪になってからもヒリヒリするような日々を生きていて
私のような者では、恐らくライオンたちに一瞬で食い殺されるか、
食べる気にもならない、とソッポを向かれて終わりでしょう。

現在のところ、日本ではスカパーのFOXチャンネルか
HuluのFOXライブ（２～３話分くらい見逃し配信あり）で見る事が出来ますので
ライオン一族の豪華で激しい家族劇をぜひ堪能してみて下さい。


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