ゼロから実用的な英語を身に着ける策として、作家の桐島洋子さんがおすすめされていたのが、英語の英語の料理本や児童書をとにかく読んでみる、という方法です。
これがどの本に書かれていたかは忘れましたが、桐島さんはアメリカ人男性との事実婚で、かれんさん、ノエルさん、ローランドさんと3人のお子さんをもうけています。
お相手の男性とは通勤中の電車内で知り合ったそうで、最初は片言の英語と日本でのコミュニケーションから始まり、最後には子連れでアメリカ縦断旅をするまでに独学で語学力を伸ばされたそうです。
その独学方法の一つが、料理本と児童書を読むことだったそうで、基本的に辞書は引かず、意味を推測しながら読んでいく。
特に料理本は日常動作にまつまる動詞が多く、大体のレシピが分かっていれば、単語の意味を想像するのも難しくないとのこと。
さらに当時、海外にも頻繁に出ていた彼女のお父上からは「英語で発禁本(エロティックな小説)を読むこと」をすすめられたそうで、要は興味につられて読みたくなるような本を一冊、最後まで粘り強く完読するのが良いと言われたそうです。
私自身は読み書きは後回しで、とにかく聞く話すばかりやってきたのですが、今はカナンアカデミーでライティングの訓練を定期的にやっています。
それで気づいたことは、ライティングをきちんとすると、正確で論理的な文章、深くより細かい表現力が付くんだろうなという事で、話し言葉だけでは中々到達できない領域があるなと感じています。
深い表現から軽い表現は簡単に出来るでしょうが、逆はやっぱり訓練がないと難しい、今それを実感しています。
桐島さんはのちにその語学力をフルに発揮しアメリカに取材旅に出てルポタージュ「淋しいアメリカ人」を執筆、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞されます。
これはアメリカ人の性と孤独を描いた作品で、彼らの心の奥底を覗くために、彼女も結構無茶やってるんですよね。
60年代当時、小柄な日本人女性が独学の英語でそこに飛び込んでいくというのは、かなり度胸のいることだったと思います。
そしてこんな業績を上げる助けとなった彼女の英語力は、料理本と児童書から始まっていると思うと、千里の道も一歩から、基礎を易しいレベルから固めることの大事さが伝わってきます。
桐島さんは元々頭の良い方で行動力も抜群なので、普通の人とは違うかもしれませんが、それでもやっぱり情熱とやる気、それにちょっとの創意工夫、これがあれば結構色んなことが実現できるんじゃないかと思います。
英語の場合はまずは易しい本を眺めてみる、そこから人生が変わることもあるかもしれません。