日本でコツコツ独学で英語をやって、いざイギリスに行ってみると、通じることはまあ通じるものの、発音は先生に「まだアメリカンだね」とずーっと指摘されました。

何が違うのかは確かに家でテレビを見ていれば、ドラマを見ていても、正統派から下町訛りまでイギリス英語であふれており、良く分かります。

そしてBBCは標準語で聞きやすいけれども、「イーストエンダーズ」という長寿ドラマがあり、こちらは下町訛りバリバリで、まったくわかりませんでした。

またサッカーのベッカム選手は当時現役で、インタビューが流されたりしていましたが、彼の英語も「イーストエンダーズ」っぽい訛りがあったのが意外で、先生にそのことを話すと、ウーン、彼をお手本にするのはどうかな、と言われたので、多分あまり好ましくない英語だったんでしょう。

何かこう、話し方で属する階級を推し量るような、そういうところがあるんでしょうね。

ただBBCをお手本にしようと思っても、そう簡単に出来るものではなく、またブリティッシュアクセントは、どことなく気取った感じを人にあたえる気がして、そもそもドヘタな英語なのに、発音だけブリティッシュというのもどうだろう、と結局そんなことを言い訳にして、アメリカ英語で通してしまいました。

その後、色々と見聞きしている中では、作家の林望さん(リンボウ先生)の英語は本当にきれいなイギリス英語で、常々最高のお手本だと思っています。

前に何かのドキュメンタリーで、ヒースローに降り立ったリンボウ先生が両替をしにいくシーンで「紙幣」を bill ではなく note とおっしゃっていて、ああそこからもう違ったのか、とハッとさせられました。

私はもちろん何の疑問もなく滞在中ずーっと bill でした(笑)。

そういう違いはあげればキリがないでしょうが、意識して「イギリスの英語」を使うことはなく、無意識にアメリカ英語で押し通していたことに、その時やっと気づきました。

多分先生は、発音もさることながら、せっかくイギリスで学んでいるのだから、そういう違いにも気づいて欲しいということだったのでしょう。

ところがこっちはそんな事まで気が回らず。

どうにか(アメリカ)英語が通じることでもう満足で、それ以上のことは考えもしませんでした。

映画「キングスマン」でも、スパイ組織にスカウトされ、訓練を受けていくうちに主人公エグジーの英語が段々変わっていきます。

労働者階級の若者から、一流エージェントに育つ過程で話し方もその立場にふさわしく変化する。

まあそこまではなかなか高いハードルですが、いずれは年齢なりに洗練された話し方も身に着けられたらいいなと思います。


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