地方暮らしの私には遠かった!(笑)ですが、こんなチャンスは二度とないと思い、JHJの来日ライブに行ってきました。
もう全ての来日公演が終わったと思いますので、会場の様子も含め、詳しいレポートをお届けしたいと思います!
場所は六本木、東京ミッドタウン内にある「ビルボードライブ東京」です。
うーむ、まばゆい・・・東京ですなあ
公演予定のアーティストのチラシがたくさん
六本木はかれこれ10年以上、足を向けていませんでしたが、何だか色々変わっていて驚きました。
六本木といえば、ロアビルの裏に旧小田良治邸(旧フィリピン大使館)という、趣ある洋館(しかし廃墟)があって、その周辺を夜、パブで飲んだ後に友達と歩いて肝試し的なことをやったり、そこを通るたびに、こんな豪華なお屋敷に、一体どんな人が住んでいたのかと想像したりしていました。
私の六本木の思い出はその洋館と雑貨店の大中でしたが、調べてみたら、洋館は2007年に解体、大中も閉店してしまったようです。
さてそんな六本木にある東京ミッドタウン、ここももちろん初めてです。
上階はリッツ・カールトン、下階はショッピングプラザとレストランという感じで、どこもかしこも高級感にあふれていました。
「ビルボードライブ東京」は4階にあり、チケットはあらかじめネットで決済まで済ませ、当日受付で整理番号券を発行してもらいます。
席種は自由席、ビルボード会員用の席、ちょっとお高いVIP席(追加料金あり)、1ドリンク付きのカジュアル席とおおまかに四種類あり、私は自由席を選びました。
一階は自由席と会員席、ステージは右手、アーティストは正面に見える階段から登場します
ステージに一番近いのは自由席と会員用の席、お高い席は中二階席、カジュアル席は3階席、という感じで、自由席は整理番号順に入場、好きな席を選んで着席というシステムで、係員の方が良い場所を提案してくれます。
中二階のVIPエリア、ゆったりと全景が見渡せます
私の整理番号は13番、運よく最前列のテーブル席につくことが出来ました。
番号は不吉だけど、思いがけず最前列
ビルボードでの公演は大概二部制になっていて、一部の方が開始と終了時間が早いので、特に平日の公演はお客さんが少ない傾向が強く、結構良い席が確保しやすいと感じました。
ただ会場全体が恐らくより盛り上がり、サイン会などのファンサービスが行われる可能性がある(無い場合もあり)のは二部公演で、こちらは終演時間が23時と結構深い時間。
公演に加えてメンバーと交流がしたい場合は、おそらく二部が良いんでしょうが、終演後にサイン会があるとして、それに参加していたら24時を回るかもしれません。
一部と二部の間が1時間半しかなく、その間に観客の入れ替えがあり、メンバーの休憩も必要ですから、まあ一部の後にファンサービスは無理ですよね。
そこだけはちょっと差を感じてしまいますが、現状ではシステム上仕方ないようです。
この点、実際に参加してみた私の印象では
・チケット確保に出遅れても良席が取れる可能性が高いのは一部公演
・サイン会などのファンサービスも含めて堪能したい場合は二部公演
という感じがしました。
また今回私は一人参加でしたが、意外におひとり様のお客さんも多くて、相席にはなりますが、居心地は悪くありません。
何より皆さん大人の方ばかりで(チケットも飲食代も割とお高いし・・・)、落ち着いたムードで開演までの時間を過ごせました。
費用的には大体、開演の一時間前に入場が始まり、開演前の時間を飲食をしながら待つことになりますので、チケット代プラス飲み物と軽食で、2,000~3,000円というところ。
しっかりお食事となると、5,000円くらいかかるでしょうか。
JHJのチケット代は8,400円でしたが、ボビー・コールドウェルなどの人気公演だと、自由席で12,500円、それに飲食代ですから、一時間半の鑑賞としてはなかなかのお値段になりそうです。
招待券、当たったら嬉しい
ただ例え大きな会場を埋められるほどの集客力がなくても、こうしたライブハウスがあるおかげで、来日公演が見られる場合も多々あると思うので(今回のJHJもそうですね)、収容人数が少ない分、割高になるのは仕方ないでしょうかね。
私の周囲に居た大人のカップルさんは、次はボビー・コールドウェルだね、とおっしゃっていたので、もしかしたらお家が近くて懐に余裕のある、お得意様だったかもしれません(いいなあ~)。
こちらは慎ましくビール(約1,200円)とフィッシュ&チップス(約1,800円)でお茶を濁しつつ、アンケート用紙に記入などしながら一時間ほど待機ののち、ついに開演の時がやってきました!
いや~、初めて彼らをテレビで見てから30年、こんなに近くでステージを見られる日が来るとは!
クラークがここに来るらしいので、開演前にお化粧直し
普通にステージから向かって右側の階段から、客席フロアを通って登場です。
第一印象でヴォーカルのクラークは変わらずクールな雰囲気、ベースのマイクは昔より素敵になったなと思いました。
「僕ら日本語が出来なくてごめんね、簡単な英語なら皆分かってくれるかな?」とまずはクラークのMC。
パッと見渡した限り、お客さんの年齢層は50~60代が一番多いかな、という感じでしたが、いきなりノリノリで「イェーイ!」と。
皆さん恐らく数十年来の洋楽ファン、英語が出来る方は多いようでした。
私はJHJのアルバムはもちろん、クラークがJHJ脱退後に発表したソロアルバム「Raindance」もとても好きで、今回その「Raindance」からの曲もやってくれたのが嬉しかったです。
当時私は高校生だったと思いますが、クラークのMCで「Raindance」のテーマは環境保護や社会問題だったことを知りました。
彼が2000年代に環境保護活動に熱心に取り組んでいたのは知っていたんですが、本当は「Raindance」の発表時(90年)からその方面に興味を持っていたんですね。
その「Raindance」からのシングル曲「Crown Of Thorns(いばらの冠)」を演奏してくれたんですが、この曲についてクラークは「僕は日本の神道、自然界のあらゆる事象を神として敬う精神に感銘を受けているけれど、これはそんな神道精神とは真逆の事を歌った曲。未だに世界は宗教で混乱しているよね」といった話をしていました。
そんな言葉を聞いて改めて歌詞をかみしめてみると、これってキリストの事(いばらの冠、だもんね)、そして現代のキリスト教(というか西洋社会)の危うさみたいな事を歌っている?
メロディも良くて素晴らしい曲だと思いますが、今思えばよくシングルカット出来たな~と、ちょっとビックリしました。
Wikiによると、案の定セールス的にはUKチャート100位と、いまいちだったようで、これが失敗と取られたのか、以降ソロアルバムからのシングルカットは、日本限定でしか出ていません。
まあ「売れること」を第一目標とするなら、もっと違う曲を書けただろうと思いますが、あえてこういう曲を出しちゃうところがクラークさんなんでしょうか、なかなか反骨精神に溢れた人なのかもしれませんね。
また実際の言動から受けた印象では、すごく真面目な人なんだろうな、と。
あと、テニスの大坂なおみ選手のコーチ、サーシャ・バイン氏に似ているなと(笑)。
何となく名字(Datchler)の感じと顔立ちからドイツ系なのかなと思っていたんですが、サーシャコーチもドイツ人、うん、きっとそうだな、と勝手に確信しました(笑)。
ただここで一つ「アレッ?」と思ったのは、結婚指輪をしていたこと(笑)。
Wikiでは20年連れ添った夫人と離婚したとあったけど・・・まあ当然ながらモテるでしょうから、いつの間にか再婚していたようです。
そして再結成後のシングル「Magnetized」のテーマは「輪廻」でしょうか。
クラークは「初めて会う人なのに、何か懐かしい人っているでしょう、これはそういう出会いについての曲で、今世で出会った人たちと、過去世でも会っていたかもしれない、僕らと皆さんもそうかもしれない」と言っていました。
2013年発表の作品で、生で聞いてもとても良い曲でした。
一時、彼が環境保護運動に傾いていた時期の曲は、正直私はピンと来ず。
しかし「Magnetized」はしっかりリスナーにアピールするための一曲という感じで、彼のソングライティングの才能は健在なんだなと嬉しくなりました。
何曲か熱唱ののち、汗ビッショリのクラークは「日本に来る前にこのスーツを買ったんだけど、ウールで出来ているからすっごく暑い(笑)、もう倒れそう」と言っていました(笑)。
いやこっちも別の意味で倒れそうでしたよ!
それと「I Don’t Want To Be A Hero」、この曲は日本では「反逆のヒーロー」というタイトルのラブソングとして、長山洋子さんがカバーしていました。
この曲はイギリスがフォークランド紛争でゴタゴタしていた頃に書かれた作品で、内容としては戦争(争い)を止めようというメッセージ性の高い曲です。
クラークはMCで「この曲を発表してからずいぶん経ったけど、残念ながら未だに争いは絶えない、でもメッセージは発信し続けないと」と言っていて、かなり思い入れのある作品という気がしました。
曲調がダンサブルで恰好良いので、つい踊ってしまうんですが、内容を思うと、踊りつつも、こんなきらびやかな場所で、ノリノリで歌っていていいのか??ちょっと考えてしまいました。
そして中盤での意外な選曲が Earth, Wind & Fire の「September」、これをクラークの声で聴くことが出来ました。
この曲を今回選んだ理由については「彼の亡くなった年は音楽界の偉人、デヴィッド・ボウイやプリンス、ジョージ・マイケルも他界した年で、その中で何となくモーリス・ホワイトの影が薄い気がして・・・でも彼の偉業もぜひ忘れないで欲しいという気持ちから、この曲を選びました」と言っていて、皆さん大拍手、とても盛り上がった一曲でした。
さらに「What Other Reason」というデビューアルバム「Turn back the clock」に入っている曲のアコースティック・バージョンが、これから公開される香港映画のサントラに入ると言っていました。
「映画のタイトルは忘れちゃった」とクラークは言っていましたが、マイク曰く「確かボクシングの映画だよ」とのこと。
果たして日本で公開予定があるのか分かりませんが、チェックしようと思っています(笑)。
締めはもちろん「Shattered Dreams」、皆さん総立ちで大合唱でした!
この曲のサビでクラークはマイクを観客に差し向けてくれましたが、個人的には本人に歌って欲しかったです(笑)。
すごく良い曲なんですけど、ライブで皆でワーッと歌うより、しっとり聞きたいような・・・まあ嬉しかったですが、もう一回フルコーラス歌って欲しかった。
またこの曲のPVはイギリス版とアメリカ版があるんですが、圧倒的にアメリカ版(モノクロ)の方がカッコ良くて、それもそのはず、監督がデヴィッド・フィンチャーなんですね。
この時は多分、かなり本気でアメリカ市場を取りに行ってたんだろうと思います。
でも確か当時はジョージ・マイケルの曲がずーっと1位で、ビルボードでの最高位は2位。
しかし今聞いてもやっぱり美しい曲だなと感動、人生で1000回以上は聞いていると思いますが、私にとっては一生好きな曲の一つです。
それにしても・・・あの頃VHSに録画して、毎日何十回もPVを見ていたバンドを、今こうして目の前で見る日が来るとは、人生って面白いですよね(笑)。
彼らの黄金期はごく短期間で終わってしまったため、来日公演なんてあるはずないと思っていました。
生で彼らの曲を再び聞ける日があるかどうか?
そう思うと、すべての楽曲が真剣勝負、一言も聞きもらしたくないと集中しきった、あっという間の一時間半でした。
来日公演のセットリスト
それにしても嬉しかったのは、クラークの話が全て、100%しっかり理解できたことです。
彼らの曲を聴き始めた当時は、歌詞カードを見ながらイチイチ辞書で調べていた私が、この日は全ての話をすんなり聞き取れた。
もちろんクラークの配慮(簡単な英語で話す)あってのことではありますが、本当に自分なりにでも英語をやってきて良かったと、心の底から思いました。
どんなやり方だってコツコツ続けていれば、絶対に自分の力になるんだ、と確信を得ました。
これからも自分なりの方法で、英語に取り組み続けていこうと誓った夜でもありました。
青春時代を彩ってくれたJHJのライブは、正に「Turn back the clock(時計の針を巻き戻す)」な時間、15歳の私に戻ってワクワクテカテカ、魔法のひとときでした!
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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