先日から「What dining in the dark does to your tastebuds -「暗闇での食事が味覚に与える影響」を読んでいます。

暗闇での食事が味覚に与える影響


・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(1)
・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(2)
・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(3)
・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(4)
・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(5)
・「暗闇での食事が味覚に与える影響」(6)

I find that my senses of taste, smell, and touch are not sharper than usual.
味覚、嗅覚、触覚がいつもより鋭くないことに気がつく。

The main difference is they are disjointed, in the absence of the unifying power of vision.
大きな違いは視覚という情報を統一する能力がなく、それらがバラバラになっていることだ。

It takes encountering a horrifyingly crunchy thing on my spoon, like chewing on a beetle, to jolt me into recognition:
スプーンの上でカブトムシを噛むような、恐ろしく歯ごたえのあるものに出会うと、私の認識が揺さぶられる、

it’s chestnut cream, or crème des marrons, sprinkled with a crunch.
それは栗のクリームにクランチをまぶしたものなのだけど。

My final bite of the meal is unmistakable: a single piece of caramel popcorn, sweet and burnt.
最後の一口は間違えようがない、キャラメルポップコーンを一粒、甘く焦がしたもの。

We sip our tea and completely forget to eat the cookies on the saucers because we can’t see them.
紅茶を飲むが、皿の上のクッキーは見えないので、食べるのをすっかり忘れてしまう。

It is truly a relief, we realise, not to be seen.
見えないということは、本当に安心できることだと気づいた。

Invisibility lifts from you the responsibility to look a certain way or eat a certain way or keep things tidy.
見えないということは、ある種の外見やある種の食事、ある種の整理整頓などの責任を取り除いてくれる。

You can slouch.
だらしなくもなれる。


slouch「(大儀そうに)前かがみに歩くこと、うつむき、前かがみの姿勢、~の下手な人、だらしない・だめな人」。

You can just sit and talk and think and you are only a voice in the darkness like any other, finally free of your body.
ただ座って話したり考えたりするだけで、自分は他の人と同じように暗闇の中の声に過ぎず、ようやく肉体から解放されるのだ。



なるほど見えないという事は、見える事から生じる認識や、求められる姿かたち、そうしたものから解放される事でもあると。

スティービー・ワンダーは、女性の手首を触ると、その人が好みのタイプかどうかが分かるという話ですが、手首に触れた感触で、何か彼の美意識を刺激する情報が得られるのかもしれませんね。

「これこそが美人」という社会的にメジャーな概念は、彼らのものさしに入り込む余地はなく、誰の影響も受けない世界。

視覚を持たない人には、そういう自分の世界が築かれているのかも・・・その事に今気づかされました。


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