ホワイトカラー シーズン4 第14話より:

I beg to differ
同意しかねます、賛同しかねます


自分がFBI捜査官であることが、オズとペニーにばれてしまい、
何とか自首するよう二人に説得を試みたピーターだったが、不首尾に終わる。

オズは獄中で彼がペニーに約束したことを全て果たすのだと言う。

その約束とは「マリリン・モンローの婚約指輪」に始まり「アントワネットの香水瓶」、
そして最後は「月の石」を愛の証としてペニーに贈るというもので、
オズはその約束を果たすために盗みを働いているのだった。

一方ニールらもピーター夫妻の誘拐事件を嗅ぎ付け
彼らの救助と窃盗カップルの逮捕に向けて行動を開始。

オズとペニーが交わしたおびただしい手紙の山から
彼らの次のターゲットは、科学博物館に保管されている「月の石」だと見当をつけていた。

そこでニールは先手を打って「月の石」を彼らより先に盗み出すことで
犯人をおびき寄せる計画を思いつく。

タイミングを計り、ピーター夫妻を人質に取ったオズとペニーの目の前で
ニールとサラが月の石を盗む様子を、オズがモニタリングしているという場面からです。

They’re stealing the moon rock.
あいつら月の石を盗む気だな。(オズ)

What the hell is going on? Hey, you. You’re coming with me.
一体どうなってるんだ? おいお前、俺と一緒に来い。(オズ)

I’m not leaving my wife.
私は妻のそばを離れない。(ピーター)

I beg to differ.
そりゃ同意できませんぜ、捜査官殿。(オズ)


I beg to differ は「同意しかねます、賛同しかねます」ということで
反対の意を丁寧に伝える言い方になります。

differ は「違う、異なる」、そしてこの単語の形容詞が different です。

そして I beg は「(頭を下げて)お願いする」ということですから
I beg to differ は「恐縮ながら見解の相違がございます」という感じでしょうか。

でもなぜこの場面でオズがそんな丁寧な言葉を返したかと考えてみると
その前段階で、オズはピーターのバックグラウンドを知っています。

彼は泣く子も黙るFBI捜査官(しかも切れ者揃いのホワイトカラー所属)、
そしてコブル・ヒル在住であること。

コブル・ヒルはブルックリンの高級住宅地であり、そこのタウンハウスに住んでいるというのは
オズやペニーから見ると、大変なエリートという印象になるはずです。

そして自分を無実の罪で陥れたのは、
ピーターのような社会的に立派な肩書きを持つ人間だったという悔しさが、
ここでオズに I beg to differ という皮肉をこめた一言を言わせたように感じました。



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