ブレイキング・バッド シーズン1 第2話より:
hold up one’s end
自分の役割を果たす、頑張りとおす
現役の教師・ウォルターと元教え子でドラッグディーラーのジェシー。
二人が密かに手を組んで始めた違法ドラッグの製造販売ビジネスは
地下に軟禁中の地元のチンピラ・クレイジー8と
その仲間・エミリオの死体の処理を巡って、早くも暗礁に乗り上げている。
コイン投げの結果、ジェシーはエミリオの死体処理、
そしてウォルターはクレイジー8を始末するという役割分担が決まったものの
どうしても実行に踏み切れないウォルターは、
ついクレイジー8の食事の世話や身の回りの面倒を見てしまうのだった。
しかしジェシーにしてみれば、自宅の地下室に人を軟禁し続けるのは気味が悪く
物音が聞こえるたびに落ち着かない。
ウォルターの煮え切らない態度に業を煮やしたジェシーが
決まった役割は早く片付けろと迫るシーンからです。
I held up my end.
俺は自分の役割を果たしたんだ。(ジェシー)
I already took care of Emilio!
エミリオの始末はもうつけたんだよ!(ジェシー)
You’re still diddling around, trying to get your nut up.
あんたはまだウダウダ考えてばかりで、踏ん切りもついてない。(ジェシー)
Well, boo-hoo. I have the truly awful job here.
ああ、そうだとも。なんせ私の仕事は最悪なんでね。(ウォルター)
hold up one’s end は「自分の役割を果たす、頑張りとおす」。
ウォルターに課せられた役割もキツいですが
実はジェシーのも“強力な薬品で遺体を溶かす”という身震いのするような役割でした。
diddling(diddle) around は「(考えなどを)めぐらす、ぶらぶらと時間を無駄に使う」ということで、
やるべき事を先送りして、ダラダラと決行を引き延ばすとか、そんな感じですね。
get your nut up の nut は俗語で「男性のタマタマ」のことを指し
nut up というと「度胸を持て」とか「男らしく立ち向かえ」といった意味、
タマがあるなら度胸を据えろ、覚悟を決めろ、という感じだと思います。
とはいえジェシーは trying to~ 「~しようとしている」と言っていますので
ウォルターの心の葛藤は、理解しているようです。
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サエない化学教師・ウォルターの人生逆転計画
身重の妻と障害を持つ息子のため、昼は高校の化学教師、夜は洗車場でアルバイトをしているウォルターは、時には落ちこぼれの教え子の高級車を洗わされることもあるキツイ生活を送っている。
それでも真面目に黙々と頑張ってきた彼に、ある日末期の肺ガンが発覚する。
そして自分の余命が長くないことを悟ったウォルターは、遺される家族が安心して暮らせるよう、人生の残り時間を使って大金を稼ごうと決心する。
果たしてその方法とは、自分の化学知識を結集して最高の合成麻薬(メタンフェタミン)を作り、それを元教え子でドラッグディーラーのジェシーにサバかせるというもの。
死を目前にしたウォルターの執念は、宣言通り最高のメス(メタンフェタミンの略称)を生み出し、ジェシーと共に大金を手にしていくが、やがて彼の作り出すメスはウォルターの義弟で凄腕の麻薬取締捜査官のハンクや、地元の有力ギャング、不良弁護士、闇の大物密売人など、あらゆる人物を巻き込みながら、ウォルター自身も予測出来ない Breaking Bad「道を外れる」事態へと彼を導いてゆくのだった。
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見ているだけでthの発音がよく分かる珍しい作品
ウォルターとジェシーの「金のなる木」であるメタンフェタミン(Methamphetamine)は通称メス(Meth)と言い、これが物語の核を握っているため、劇中で何回も Meth という言葉が登場します。
字幕には「メス」と出てくるんですが、この単語の発音はご存じの通り「ス su」ではなく、日本人にとっては苦手な th です。
この発音が一話の中に何回も出てくるので、th の発音や聞き取りに有効なレッスンになりますし、男性女性、老若男女、ありとあらゆる人たちの th の音が聞けますので、自分に近い人の th 発音は良い参考になるだろうと思います。
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