ブレイキング・バッド シーズン3 第6話より:
cut to the chase
単刀直入に、要点を言ってくれ、前置きは省いてくれ
ウォルターの義弟で麻薬捜査官のハンクは、執念の捜査でジェシーがかつて所有していた
キャンピングカーの売主にたどり着く。
売主はそれを盗まれたと話したが、その人物はジェシーの友人の肉親であったことから
ハンクはジェシーと違法なブルーメス、謎の人物ハイゼンベルグの間には
何らかの繋がりがあることを確信する。
そしてジェシーはウォルターの元教え子であったことから
彼が過去にキャンピングカーを所有していたかどうか、
ハンクがウォルターに確認するというシーンからです。
Listen, I hate to bother you. I just had a quick question.
その、邪魔したくないんだが、ちょっと聞きたいことがあってな。(ハンク)
Shoot.
どうぞ。(ウォルター)
I only ask this because I’m at a, you know, dead end here, potentially.
こんなことを聞くのはつまり何だ、俺も行き詰っちまったのかもしれん。(ハンク)
I’m working a case and…
今俺が捜査していることで・・・(ハンク)
you know that I would never put you on the spot or make you uncomfortable.
俺があんたを困らせたり、不愉快にさせる気はない事は分かってくれるよな。(ハンク)
Hank, you could just… cut to the chase.
ハンク、構わないから・・・要点を言ってくれ。(ウォルター)
shoot は「撃つ」という意味ですが、
ここでは「言ってみろ、どうぞ」という意味で使われています。
これは、shoot(shot)には
give it a shot
試してみろ
long shot
だめもと
など「試す」といった意味合いが含まれることから来た使い方で
ハンクのようにためらっている人に対して shoot と言えば「どうぞ試してみて」となります。
potentially 「もしかして、~かもしれない」。
put you(someone) on the spot は「あなたを困らせる、あなたを追い詰める」。
そして cut to the chase は「単刀直入に、要点を言ってくれ、前置きは省いてくれ」ということで
直訳すると「追跡(シーン)まで飛ばせ」といった意味ですが
これはサイレント映画時代の業界用語が由来のイディオムなのだとか。
当時の映画は大体、まずヒーローとヒロインのラブストーリーがあって
最後に見せ場のチェイスシーンがあるのが基本パターンで
ストーリーが退屈だったり、お決まりの展開だった時に
「チェイスシーンまで飛ばせ(cut to the chase)」という言葉が飛び交うようになり
それが転じて「単刀直入に、要点を言ってくれ、前置きは省いてくれ」という意味で
一般的に使われるようになったのだそうです。
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