jump through hoops

ブレイキング・バッド シーズン3 第6話より:

jump through hoops

困難を経る、面倒を乗り越える

ガスが用意したウォルターの新しい助手・ゲイルは ウォルターも感心するほど優秀な若者で、申し分ない化学の知識を持ち合わせていた。 ジェシーのような若者ならともかく、大学出で化学の博士号まで持っているゲイルが なぜこんな所で違法麻薬を作ることになったのか 気になったウォルターが、彼にその理由を尋ねるというシーンからです。

Gale, I'm wondering how you ended up here.

ゲイル、どうして君はこんな所で働くことになったんだ。(ウォルター)

(中略)

Yeah, I was doing it the way you are supposed to pursuing my doctorate at Colorado, NSF research grant.

ええ、私も博士号を持つ者としてご想像通り、財団の援助で研究者への道を歩みました。(ゲイル)

I was on my way, jumping through hoops, kissing the proper behinds, 私なりに色々な面倒も乗り越えて、スポンサーの御機嫌取りとかね、

attending to all the non-chemistry that one finds oneself occupied by.

で、気づいたら化学とは全く関係ない仕事に縛られていたんです。(ゲイル)

You know that world. That is not what I signed on for.

あなたにもお分かりでしょう。それは私の望む仕事ではなかった。(ゲイル)

I love the lab.

私は研究室を愛しているんです。(ゲイル)

doctorate 「博士号」。 jump through hoops は「困難を経る、面倒を乗り越える」という意味で 語源はサーカスの動物が行う輪くぐりから来ているようです。 いくつも難題を飛び越えて来た、という感じでしょうか。 kissing(kiss one's ass の省略形) は「ゴマすり」、あまり上品な言い回しではありませんが そういう言い方をするところに、ゲイルの不満が表れていると思います。 the proper behinds 「後ろに控える正規(財団)職員」、 ゲイルは財団の援助を受けて研究をしていたと言っていますので 助成金を出してくれる人=スポンサーという解釈になっています。 occupied は「占領された」。 Ebayなどでたまに気に入った置物などを買うと MADE IN OCCUPIED JAPAN という表示に出くわすことがあるんですが それは「占領下の日本製」という意味なんですね。 ともかくゲイルは大好きな研究とは関係ない雑務に自分は占領されてしまった、 と言っています。 このゲイルという男性はおとなしく、口も堅く、真面目に黙々と仕事ををする ウォルターにとってはまたとない助手で、 毎日ラボに入り浸れて、報酬も良いこの仕事を楽しく割り切ってやっています。 しかしこのままメデタシメデタシとはいかないのがお約束で やっと実現したこの理想的な状況にも、徐々に変化が訪れてきます。

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