ブレイキング・バッド シーズン5 第11話より:

lose track of~
~を見失う、~から注意がそれる、~の経過が分からなくなる


ハンクに自分の正体を勘付かれ、ジェシーが事情聴取に呼ばれたと
ソウルから連絡を受けたウォルター。

DEAに決定的な証拠を与えないよう2人に釘を刺し、
ウォルター自身も自分に繋がる証拠を処理すべく昼夜奔走していた。

そうした事情を未だ全く知らない息子が学校から帰宅し
ハンクの妻・マリーから呼び出しを受けたと父親に告げるシーンからです。

Hey, dad. I’m home.
父さん、ただいま。(ジュニア)

Oh, okay. I’ll be right out.
ああお帰り。今そちらに行くよ。(ウォルター)

Hey, you go to work today? You were out late last night.
ねえ、今日は仕事に行ったの? 昨日の夜、出かけてたでしょ。(ジュニア)

Huh? I… I guess I just lost track of time.
えっ? その・・・今日はつい時間を忘れてしまってな。(ウォルター)

Hello? Dad. I’m, I’m gonna head out, okay?
父さん、どこ? ねえ僕今から出かけるけど、いいかな?(ジュニア)

Where you going?
どこへ行くんだ?(ウォルター)

Aunt Marie just called.
マリー叔母さんから電話をもらったんだ。(ジュニア)

(中略)

Wait, uh, Son? Junior? Hang on a second.
待ちなさい、おい、ジュニア? ちょっと待ちなさい。(ウォルター)


I’m home は日本語に対応させるとすれば「ただいま」ですが、
厳密には「今帰ったよ」と、その場に居あわせない家族に帰宅を知らせる言葉になります。

ですからこの時点では、息子には父の姿は見えておらず
でもどこかに居る(ウォルターはこの時洗面所にいた)と思って
声をかけている事が分かります。

日本語だとその場に居る家族にも「ただいま」と言いますが、
英語の場合は、自分の目で確認出来る家族には I’m home ではなく
Hi とか、Hey とかいう挨拶になるでしょう。
(家に帰ってきた事は、すでに家族に見えているので改めて言う必要はない)

それを踏まえておくと次のウォルターの返し、I’ll be right out (今出て行くよ)も
スムーズに繋がります。

息子の目に見えない場所(このシーンでは洗面所)から、
そちらに出て行くよ、というわけです。

何気ないやり取りですが、I’m home と I’ll be right out から、映像を見ていなくても
このシーンでは父と息子が顔を合わせずに話している事が分かります。

そして lose track of~ は「~を見失う、~から注意がそれる、~の経過が分からなくなる」という意味で
ここでは lost track of time「時間の経過が分からなかった」=「時間を忘れてしまった」となります。

時間を忘れていたので、今日は仕事には行かなかった
(それどころでは無いですからね…)と誤魔化した父ですが
何も知らない息子がハンク夫妻の家に行くと言うので、慌ててそれを引きとめます。

もうウォルターの裏ビジネスは崩壊寸前で、この先いつ家族にバレるのか、
いつハンクに捕まってしまうのか、とエンディングに向けて最後の仕掛けが続々と仕込まれてゆきます。



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