ブレイキング・バッド シーズン5 第12話より:
not a chance
そうはいかない、そうは問屋が卸さない、嫌だ
深夜、ウォルターとジュニアは二人とも寝付けず、
外のテラスでいっときを過ごす。
このところ、両親の様子がおかしいと感じていたジュニアは
父のガンが悪化したのではと胸を痛めていた。
You guys still think you might buy another car wash?
父さんたち、また新しい洗車場を買うつもりなの?(ジュニア)
Oh, uh, yeah. Well, maybe.
うんまあ、そうだな、もしかしたら。(ウォルター)
… See how it goes.
・・・いまは様子見だよ。(ウォルター)
How it goes now that you’re… you’re sick again, right?
様子見って、それって・・・またガンがぶり返してきたんだね?(ジュニア)
No. That’s not what I mean.
違う。病気の事じゃない。(ウォルター)
Hey. Told you not to worry, remember?
なあ。心配するなと言ったろ、覚えてないか?(ウォルター)
How can I not worry?
そんなの無理に決まってるじゃないか。(ジュニア)
You think I came all this way just to let something as silly as lung cancer take me down?
ここまで頑張ってきた私が、今更ガンなんてバカげた奴に倒されると思うのか?(ウォルター)
Not a chance. I’m not going anywhere.
そうはいかない。私はどこにも行かないよ。(ウォルター)
see how it goes 「様子を見る、行く末を見守る」。
take someone down ここでは「してやられる、倒される、捕まる」という意味で使われていますが
take down には「連れていく」という意味もあり
例えば I’ll take you down to~ と言えば「あなたを~にお連れします」となります。
セリフからは「ガンに(あの世に)連れていかれる」という解釈も可能ですが
会話の流れから「ガンに倒される」の方がふさわしいように感じました。
ここでウォルターが言う take down とは、はっきり言えば死ぬということなんですが
ジュニアにショックを与えないために、婉曲な表現をしているのだろうと思いました。
自分は落ちるところまで落ちても、やはり我が子はどこまでも守りたいという
ウォルターの心情が伝わってきます。
そして not a chance は「万に一つのチャンスもない」=「そうはいかない」ということで
日本語で言えば「そうは問屋が卸さない」が近いニュアンスではないかと思います。
簡単には諦めない、負けないということですね。
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