モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン2 第1話より:

debatable
疑わしい、議論の余地がある、異論がある


ロドリゴの心にトーマスから受けたアドバイス
「(楽団員に対して)厳格になれ」という言葉が重くのしかかる。

このところの楽団の不調続きは本当に経営陣とのゴタゴタだけが原因なのか?
それとも自分のフレンドリーな態度が馴れ合いを生み、
彼らに緊張感を失わせたためなのか?

どうにも分からなくなったロドリゴは、正直に答えて欲しいと前置きをして
ヘイリーに質問を繰り出す。

How does the orchestra feel about me?
楽団員は僕の事をどう思っている?(ロドリゴ)

They think that you’re crazy.
クレイジーだと思ってます。(ヘイリー)

(中略)

But they believe in you.
でも信頼してます。(ヘイリー)

And sometimes, they think that they love you.
そして時には、あなたに恋を感じてるかも。(ヘイリー)

Do you sometimes think that you love the orchestra?
マエストロはどうです、時には皆に恋を感じます?

Sometimes? All the time.
時にはだって? いつもさ。(ロドリゴ)

But I’m the conductor, and I must have some distance.
でも僕は指揮者だから、距離を置かなければ。(ロドリゴ)

(中略)

You know, with closeness and familiarity, there comes disrespect.
親しい関係になると、軽蔑が生まれるから。(ロドリゴ)

That’s debatable.
そうでしょうか。(ヘイリー)

No, I think that’s the truth.
それが真実だよ。(ロドリゴ)


all the time「その間ずっと、いつも、常に」。

distance「距離、間隔、隔たり」。

イギリスで見かけた交通標識に
Keep your distance(距離を保って)というのがありました。

車と自分の距離、電車と自分の距離、運転中の車間距離等々、
様々な場面で見かけます。

私は当時この標識を見るたびに、
この国の人(西洋人)は距離感に敏感なのかなあと思っていて
自分の(人との)距離感って彼らと違うのかしら、と考えることがありました。

これは今ではいけない事だったと分かるんですが
これより前に、米系航空会社で海外に行った際
機内サービスで足りない事があったので、声をかけたのですが
飛行中の轟音で聞こえなかったようなので
通り過ぎたばかりのアメリカ人客室乗務員の背中をトントン、としたのです。

そうしたら、その人がものすごい形相で振り返って
「やめろよ!(男性でした)」みたいな事を怒鳴られました。

その時は相手のあまりの剣幕に、
頼みたい事も忘れてポカーンとなってしまったんですが
その頃(昭和の頃)私もまだ10代後半かハタチそこそこの小娘で、
マナーに欠けていたせいでスチュワードを怒らせてしまったわけです。

Keep your distance の標識を見た時に、
真っ先に思い出したのはその事でした。

色んな国の人が居て、彼ら独自のほどよい距離感がある、
それに気を配らないと、またあんな風に怒られるかな・・・
distance という単語を見ると、そんな事を思います。

closeness「親密さ、近さ」。

familiarity「熟知、精通、良く知っている事、親しみやすさ」。

disrespect「~を尊敬しない、~を軽蔑する」。

そして debatable は「疑わしい、議論の余地がある、異論がある」。

debate「討論する」に -able がついて debatable(討論可能な)
=「疑わしい、議論の余地がある、異論がある」。

昔、筑紫哲也さんのNEWS23で「異論・反論・オブジェクション」というコーナーがありましたが
objection「異議を唱える」だと意味が強すぎる時に
この debatable は使えそうですね。

和を貴ぶ日本人としては、仲良く和気あいあいを捨てて
ただ一人厳格に徹するのはかなり勇気がいりますが、
果たしてロドリゴはどうするんでしょうか。


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