モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン2 第2話より:

carve up
(肉塊を)切り分ける、(勝手に)分割する、(儲け等を)山分けする


楽団員の今後についての話し合いは、
その場に同席した弁護士ニーナの提案によって思わぬ方向に動く。

楽団にとって一番影響力を持つ大口スポンサー、
バイベンをスキャンダルで揺すろうというのが彼女の提案で
品位の無いやり方に楽団員たちは難色を示すが・・・。

No one here is a wimp.
私たちは弱虫なんかじゃない。(シンシア)

They just spat in your face, and you’re listing the reasons why.
奴らに侮辱されてるのに、何の反撃もしてないじゃない。(ニーナ)

(中略)

He carves up companies for a living, and you think he gives a shit about your mortgage, Warren?
バイベンは企業乗っ取りを生業としてるのよ、楽団員のローンなんか気にするとでも?(ニーナ)

Or your health care, Dee Dee?
医療保険だって気にするかしら?(ニーナ)

I’ll tell you what he gives a shit about, his image.
何を気にするか教えてあげる、彼自身のイメージよ。(ニーナ)

So I recommend we find some dirt and fling it in the press.
だから彼のスキャンダルを探してリークするの。(ニーナ)

We’re the New York Symphony.
私たちはNY交響楽団なの。(シンシア)

We have to retain our dignity.
楽団の品位は保たなきゃ。(シンシア)

You may retain your dignity, but you’re not gonna retain your pension plan.
このままじゃ品位は保てたとしても、年金は失うはめになる。(ニーナ)


wimp「弱虫、意気地なし」。

spit in your face(顔に唾を吐かれる)=「侮辱を受ける、ばかにされる」。

そして carve up は「(肉塊を)切り分ける、(勝手に)分割する、(儲け等を)山分けする」。

ここでは He carves up companies for a living(彼は生活のために会社を切り分ける)
=「企業を解体し乗っ取る(利益を山分けする)ことを生業としている」。

会社を肉塊に見立てて、それを飯のタネにバラす、切り分けるという
なるほど上手い表現だなあと思いました。

carve up のニュアンスとしては、外側から勝手にやって来て強引に、
若干不正じみたやり方で分割する・切り分ける、という感じで
非情で強引な「分割」を意味する場合もあります。

ニーナによれば、バイベンとはそんな男なのだから
こちらが品よくおとなしく話をするだけでは勝ち目がない、というわけです。

give a shit はスラングで「気にする、気を配る」。

dirt「泥、不潔物、ほこり、汚点・スキャンダル」。

日頃の行いがよろしくない人を“叩けばホコリが出る身”なんて言いますが
dirt はその“ホコリ(スキャンダル)”で、英語でも共通の感覚なんですね。

fling「(勢いよく)投げる、投げつける、放り込む」。

we find some dirt and fling it in the press
([彼の]汚点を見つけてマスコミに放り込む)
=「スキャンダルを探してリークする」。

retain~「~を保つ、~を維持する、~を忘れずにいる」。

dignity「威厳、品位、尊厳」。

pension「年金、恩給」。

日本ではペンションと言えば、保養地などにあるお洒落な宿がまず浮かびますが
実は「年金」を指す言葉なんですよね。

「年金」を意味する“ペンション”が宿泊施設を指すようになった由来は
年金生活者が生活費の足しに空き部屋を
若者や旅行者に間貸しした習慣から来たものだそうです。

イギリスだとB&Bがペンションに相当するのかもしれません。

大英博物館から徒歩5分くらいの場所にあるB&Bが、
一泊3,000円くらいだった記憶があります。

そのくらい安いと部屋も狭いしシャワーとトイレはまず共同になりますが
それでも若者にはありがたい宿泊施設でした。

居酒屋で一回の飲み代くらいの値段で寝泊まり出来て
翌朝は大英博物館(入場料タダですが、任意で寄付金を募っていますので
気持ちで数ポンド寄付すれば、一日中気持ちよく歩き回れます・笑)を
朝から堪能出来ます。

特にロゼッタストーンの展示は入り口に近く混雑しますが
朝イチで駆けつけると比較的ゆっくり見られました。

この時は何の前知識もなく、有名どころを見て回るだけだったので
今度はもっと事前に勉強して、深く堪能したいです(いつになるやら?)。


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