モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン2 第3話より:

unbecoming
不似合い、見苦しい、不相応な


ロドリゴはある夜、芸術家らしい気まぐれでストリートミュージシャンの一団を
自分の暮らす高級アパートメントに招き入れ、パーティをしてしまう。

その結果、アパートの持ち主からクレームが入り、
好意で住まわせてもらっていたその部屋を追い出されてしまう。

行き場を失ったロドリゴは、ひとまずグロリアの住居に泊めてもらう事になるが
そこで素晴らしい歌声を耳にする。

それは夢半ばで歌手としてのキャリアを諦めた、グロリアの歌声であった。

You should be performing in front of an audience.
君は聴衆の前で歌うべきだよ。(ロドリゴ)

Oh, well, I used to. Gloria Antoinette.
実はね、昔歌ってたの。グロリア・アントワネットという名で。(グロリア)

My late husband thought it unbecoming.
でも亡くなった夫は良い顔をしなかった。(グロリア)

(中略)

I’m not an artist like you people are.
私はあなた方のような芸術家じゃない。(グロリア)

I’m just an amateur.
ただのアマチュア。(グロリア)

Amateur. You say that as if it was a dirty word or something,
アマチュアか。 君は何だか恥ずべきことみたいに言うけれど、(ロドリゴ)

but “amateur” comes from the Latin word “amare,” which means love.
「アマチュア」の語源はラテン語の「アマーレ」、愛する、って意味だ。(ロドリゴ)

Love to do things for the love of it.
つまり「愛好家」さ。(ロドリゴ)


late「今は亡き、故(+人の名前)」。

late~ で「故~、今は亡き~」という意味になり
ここでは my late husband「亡くなった夫」。

late は dead「死んだ」の婉曲表現で、
このグロリアのように亡くなった配偶者・家族について話す際は、
よく使われる表現だと思います。

そして unbecoming は「不似合い、見苦しい、不相応な」。

becoming「ふさわしい、似合う、さまになる」に否定を表す un- がついてその逆、
「不似合い、見苦しい、不相応な」となります。

My late husband thought it unbecoming
(亡き夫は[私が歌う事を]見苦しいと考えていた)=「良い顔をしなかった」。

奥さんのやる事を見苦しいと言える男性は少ないんじゃないかと思いますが、
(イヤ例え思ってたとしてもね・・・)
グロリアの結婚生活は果たして幸せだったのか、ちょっと気になってしまいますね。

amateur「素人、愛好家」。

このシーンは“アマチュア”の語源について語り
ロドリゴとグロリアのお互いに対する警戒心が少し解ける、いいシーンでした。

確かにアマチュアである事は、特にロドリゴのようなプロを前にした場合には
引け目を感じてしまう事かもしれませんね。

実際、そのような態度をとるプロも居るかもしれませんが
音楽を愛する者同士、あたたかい気持ちで接してくれるロドリゴは
やっぱり厳格になり切れない、優しい人柄なのでしょう。


※「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」は Amazonプライムで視聴出来ます。


怪物的サービス、Amazonプライムをフル活用した英会話学習法 >>



ゆるく学ぼう!海外ドラマで英会話