海外に出るまで、「英語が出来ること=国際人の条件!」と、単純に考えていました。

しかし英語はあくまでも自分を表現するための手段であり、当然ながら、少しばかり話せることは特別なことではありませんでした。

それよりも国際人、というか、外国で自分を認めてもらう、一目置かれるために身に着けておくべきは自国の文化や基礎知識で、これをおろそかにしていた事は痛恨のミスでした。

全員ではないですが、結構他国の学生たちは、自分の国のことを聞かれれば、詳しく説明してくれます。

なのに私は「東京の人口は大体何人くらい?」こういう質問にすら答えられませんでした。

ベルギー人であればブリュッセルの、フランス人であればパリの、イタリア人であればローマ、ミラノの大体の人口だとか、簡単な近代史などはきちんと頭に入っているようでした。

特にヨーロッパの学生は、第二次世界大戦くらいからの近代史は、それぞれの国でかなり教えられているようで、地理的にもマナー的にも彼らに必要な知識のようでした。

今は分かりませんが、私が学生だった頃は歴史の授業では、平安鎌倉から江戸、明治、そのあたりはみっちりやりましたが、昭和の戦争を挟んだ近代史にはあまり時間を割いていなかったような・・・。

と、学校のせいにしてしまいましたが(笑)、近代史は自分で本でも読むなりして、知っておいた方が良いなと感じました。

何も知らないおかげで、ある時皆でパブで飲んでいたら、私たちはあなたの国の同盟国(Alliance)だったでしょ、とイタリアやドイツの学生に言われて、えーっと、ああそうなの・・・か?みたいな鈍い反応で、かなりおバカな受け答えしかできませんでした。

のちにそれは、日独伊三国同盟の事を言っていたと知りましたが、こんな事ではせっかくの会話も浅い場所で詰まってしまうのです。

更にカブキ、マウントフジ、サムライ、ニンジャ etc・・・こちらが日本人だと分かると期待される知識は結構あり、答えられなくても何も言われません(内心ガッカリ?)が、ある程度答えられば良かったなと悔しさも残ります。

外国に興味を持つと、やっぱり最初はその国について知りたいと思いますし、勉強もします。

それは素晴らしいことなんですが、それはその国に行けば大体皆知っている事であり、詳しいことは喜ばれますが、日本人としては片手落ちな感じも否めませんでした。

それよりむしろ日本人ならではの特技(書道、華道、茶道、着付け、日本舞踊等々)が一つでもあると、かなり強力な武器になる気がします。

そして日本文化に詳しい人は、現地人でもかなり勉強していたりしますので、付け焼刃では負けてしまう・・・。

多分そんな体験をして帰ってくる人が多いのか、外国で暮らした人が帰国すると日本文化に傾倒する例をよく見ます。

中田英寿さんとか、まさにそんな感じがします。

結局、外国では必ずといっていいほど、自分は何人なのかを考える時があり、そうだ自分は日本人だとハッとすると、そこをもっと深く掘り下げたくなるし、外国で自分を背骨のように支えてくれる、世界に誇れる日本を探したくなるのかあと思っています。

なので何か一つ、日本ならではの特技を武器としてもっておくと良いかもしれません。

私の場合は着物や着付けを勉強しています。

独学で何とか着物も着られるようになりましたので、今度外国に行くことがあったら、着物を通じて日本を知ってもらう、そんな活動は出来そうです。

あとは趣味と実益を兼ねて日本酒とか(笑)詳しくなれたらいいかなと思っています。


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