ゴシップガール シーズン1 第7話より:
take the(a) hit
罪をかぶる、非難を一手に引き受ける
ネイトは父がコカインの常習者であることを知るが、
社会的な評判を気にする父から罪を押し付けられ、葛藤している。
一度は父の言葉を信じ、父の立場を守るためにその立場を受け入れたネイトだったが
周囲の目を盗み、またもディーラーからコカインを入手する父の姿を目撃してしまう。
そこでついにネイトは父との約束を破り、全てを母に打ち明けるが
彼女は混乱のあまり現実から目をそらし、息子の訴えを否定するばかりであった。
The drugs were dad’s.
あのドラッグは父さんのだ。(ネイト)
I mean, I guess he thought it’d be easier on everyone if I took the hit,
その、父さんは多分僕にかぶせれば事態は丸く収まると思ってるんだろう、(ネイト)
but they were his.
けどあれは父さんのなんだ。(ネイト)
I don’t understand.
言ってる事が分からないわ。(ネイトの母)
He promised me he’d flush the coke, then I caught him buying more.
あれはトイレに捨てるって約束したのに、また買ってるのを見た。(ネイト)
(中略)
Mom, he has a problem. I need your help, please.
母さん、父さんは問題を抱えてる。母さんの助けが必要なんだ。(ネイト)
You look down at the floor every time someone tries to tell you the truth.
母さんはいつも真実から目を逸らすけど。(ネイト)
Just look at me.
僕をちゃんと見て。(ネイト)
take the(a) hit は「罪をかぶる、非難を一手に引き受ける」という意味で
hit「叩く、殴る、打撃を加える」を take「(自分から)取る、(甘んじて)受ける」、
(父のために)厳しいリアクションが予想される立場に自分を置く、というわけで
何とも可哀想な話です。
ネイトのお母さんは上流のお嬢様という設定のようで、
ヴァンダービルト家からもらったという特大ダイヤをいつでも身に付けています。
ヴァンダービルトと言えば鉄道王、アメリカを代表する名門一族として有名で
前に見た Born Rich というドキュメンタリーDVDの中に、ヴァンダービルト姓の若者が出ていました。
彼は子供の頃に、お母さんか誰かにNYのグランドセントラル駅に連れていかれ
「この駅はうちの物」と告げられて、とてもビックリしたという話をしていましたが
ネイトの母はそういう途方もない一族に繋がる家系という設定なので
ドラッグ依存などという恐ろしい話に免疫が無いようです。
それでネイトにも You look down at the floor every time(あなたはいつも床を見下ろす)、
と指摘されてしまいます。
look down at「(当惑して)うつむく、視線を落とす」。
とにかくネイトくんがしっかり育ってくれて何よりです。