エンパイア 成功の代償 シーズン1 第1話より:
sissy
女々しい男、意気地なし、オカマ
ルシウスは次男のジャマルが同姓愛者である事を受け入れず、
自分次第で異性愛者にもなれると信じたがっている。
彼は次男ジャマルの音楽的才能は高く買っていたが
ジャマルの性的志向のために、アルバムをリリースしても
売上が上がらないと考えていた。
だがジャマルを後継者にするには、
その前に彼をそれにふさわしいスターにせねばならない。
そこでルシウスは息子をどうにか説き伏せ、
デビューさせようとするのだが・・・。
This is the last time I’m gonna have this talk with you.
この話をお前とするのは最後にする。(ルシウス)
Your sexuality, that’s a choice, son.
お前の性的志向は自分で選べる。(ルシウス)
You can choose to sleep with women if you want.
女と寝ることも出来るんだ。(ルシウス)
(中略)
‘Cause a sissy can’t sell records to the black community.
オカマじゃ黒人社会で売れないわけか。(ジャマル)
I get it.
なるほどね。(ジャマル)
Or the white kids that make up 75% of our sales.
アルバム購入者の75%は白人の若者だ。(ルシウス)
And you really need to stop calling yourself that.
それと自分のことをそう呼ぶのはやめろ。(ルシウス)
Well, that’s what I am, Dad.
けど事実だよ、父さん。(ジャマル)
(中略)
Why is everything always about business with you!?
結局何でもビジネスかよ!?(ジャマル)
Take that damn bass out of your voice when you’re talking to me!
俺に向かって声を荒げるんじゃない!(ルシウス)
sissy は「女々しい男、意気地なし、オカマ」。
(精神的にも肉体的にも)マッチョでなければ男にあらず、というのは
アメリカの、特に黒人とヒスパニック系の人たちの間で根強い価値観のようです。
回想シーンでは、子供の頃からその兆候があったジャマルを
ルシウスが抱えて通りのゴミ箱に捨てに行く、という描写も出てきます。
sissy「オカマ」と口にするのも嫌だというのが
you really need to stop calling yourself that
(本当にもう自分をそう呼ぶのは止めなさい)
という、ルシウスのセリフにも表れている気がします(sissy を that と言っている)。
また同性愛だけでなく精神疾患も sissy と取られがちで
何のドキュメンタリーかドラマだったか、ヒスパニックの若者が精神科に通っている事を
周囲の人々にひた隠しにしている話を見た記憶があります。
ルシウスにとって残念な事に、
長男のアンドレも bipolar disorder「躁うつ病」で
彼も父であるルシウスに知られないよう、必死に隠している描写が出て来ます。
bass in one’s voice「(怒り、苛立ち等から)声を荒げる」。
bass「楽器のベース、男声の低音」、声の中にそれがある、ということは
相手に対して凄む、威嚇する、怒鳴るなど「相手に怒気をぶつける」事を意味し、
主に黒人の人たちの間で使われる表現だそうです。
ルシウスのセリフは Take that damn bass out of your voice
(そのクソ怒声をお前の声から取り除け)=「声を荒げるな」。
damn「クソ」、使い慣れない方が無難でしょうが、文字通りの罵り言葉の他に、
意味を強調する修飾言葉として使われる場合もあります。
damn good「超良い」、damn hot「(好みのタイプを)超イケてる」など
100%悪い意味ばかりとは限らず、この場合は
“クッソ(美味い、可愛い etc…)”みたいな感じでしょうかね。
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