先日から「The Niigata Geigi: Japan’s ‘other’ geishas -「新潟芸妓・日本のもうひとかたの芸者たち」を読んでいます。
・「新潟芸妓・日本のもうひとかたの芸者たち」(1)
・「新潟芸妓・日本のもうひとかたの芸者たち」(2)
・「新潟芸妓・日本のもうひとかたの芸者たち」(3)
・「新潟芸妓・日本のもうひとかたの芸者たち」(4)
However, things began looking up in 1987, when an enterprising company decided to help keep Niigata’s geisha tradition alive.
ところが1987年、ある企業が新潟芸者の伝統を守るべく活動を始め、状況は好転していく。
Ryuto Shinko Co, Ltd became Japan’s first geigi recruitment company, aiming not just to train new geigi but also to act as intermediaries, connecting them with ryotei and other establishments.
柳都振興(りゅうとしんこう)は、日本初の芸妓募集会社として、芸妓の育成のみならず、料亭等との橋渡しを目的としている。
Backed by sponsorship from 80 local businesses, Ryuto Shinko contracts geigis as full-time salaried workers, providing health care and other benefits.
地元企業80社の協賛を得て、柳都振興は芸妓を正社員として契約し、健康保険等の福利厚生も提供している。
They also hope to raise awareness and boost tourism via merchandise like T-shirts, calendars, fans and even sake bearing images of Furumachi Geigi.
彼らはまた古町芸妓をモチーフにしたTシャツやカレンダー、扇子、日本酒などのグッズ販売を通じて、認知度向上と観光の促進を図っている。
raise awareness「意識啓発、認識・関心を高める」。
Yui – the apprentice who danced across the tatami mat – is one of their recruits.
ユイさん、畳の上で踊っていた見習いの彼女もその一人だ。
“I joined after graduating from high school.
「私は高校卒業後に入社しました。
This is only my ninth year,” she said.
今年でまだ9年目です」と彼女。
“I started learning Japanese traditional dance when I was small.
「私は小さい頃から日本の伝統的な踊りを習っています。
So I was already fond of kimonos and the sound of Japanese classical instruments.”
ですから、着物や和楽器の音はすでに好きでした。」
Ryuto Shinko has introduced an attitude of innovation into the geishas’ traditional world.
柳都振興は芸者の伝統的な世界に革新の姿勢を持ち込んだ。
They abolished the rule of compulsory retirement after marriage,
結婚したら退職すべしというルールを廃止し、
abolish「廃止する」。
compulsory「(法・命令によって)強制する、強制的な、義務的な、必修の」。
and reached out to families, women and tourists to expand their audience from the traditional Japanese male clientele.
家族連れや女性、観光客にも訴えかけて、従来の顧客であった日本人の男性以外にも客層を広げていった。
reach out to~「~と心を通わせる、~に手を差し出す・接触する・働き掛ける」。
色恋営業も含まれる水商売の世界だと、結婚している人は戦力外扱いに大体なりますよね。
異性を主な顧客とした場合、それもやむなしだと思いますが、古町では家族連れや女性もお客として取り込んで、既婚者も普通に芸者さんとして働く、明るく健全な遊び場という感じなんですね。
女性客は多分、男性客ほどお金を使ってくれないかもしれませんが(笑)、その代わり無茶な要求や接触も無いでしょうし、働く側の女性たちにもプレッシャーは少なそうです。
艶っぽい大人の花街は京都や金沢に任せて、新潟はそことは棲み分けて生き残ろうという、賢い戦略だなあと思います。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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