ブレイキング・バッド シーズン1 第6話より:

don’t sweat it
心配するな、気にするな


ウォルターが義弟の麻薬捜査官・ハンクの来訪をどうにか切り抜けていた頃、
ジェシーは以前ウォルターに提案された“メスのまとめ売り”を受けてくれそうな
大物ディーラーと商談をしようとしていた。

彼の名はトゥコと言い、ビジネスのためなら人殺しも全くいとわないと評判のワル。

ささいな事でもキレやすく、周囲の者は彼の機嫌を損ねぬよう、細心の注意を払っている。

トゥコはたまたまジェシーの親友、スキニー・ピートのムショ仲間であることから
スキニー・ピートが顔つなぎ(vouch)を引き受けてくれたのだった。

ビクビクしながらトゥコのアジトに案内され、持ってきたメスを彼に差し出すジェシー。

ハラハラしながら様子を伺うジェシーの心配をよそに、
ほんの少しの量でスーパーハイになれるウォルター作のメスはトゥコの心をとらえ、
ぜひ自分たちが買い取りたいと言うのだった。

We got a deal.
よし、取引だ。(トゥコ)

See? I told you Tuco would hook you up.
な? トゥコなら大丈夫って言ったろ。(スキニー・ピート)

Cool. I haven’t said how much…
良かった。まだ値段を言ってなかったが・・・(ジェシー)

35large for the pound.
そいつは1ポンドあるから3万5千だ。(ジェシー)

Well,..you’re a little light, Jesse?
しかし・・・こいつは1ポンドより軽いようだが、ジェシー?(電子量りで確認するトゥコ)

(トゥコの鋭い眼光に青ざめるジェシー)

It’s all right! Don’t sweat it. It’s all good.
冗談だよ! 心配するな。 問題なしだ。(トゥコ)


hook you up(hook up) は、ここでは「応じてくれる、(提案などを)聞いてくれる」といった意味で
ここでは「(ジェシーの持ちかけた)取引話に応じてくれる」といった感じです。

また hook には「(洋服や帽子をかける)フック、鍵爪」といった意味があり
hook up もそこから連想を広げることで、色々な使い方に対応します。

Hook me up with your frind.
(デート出来そうな)友達を紹介してよ。

I hooked up with her/him.
彼女/彼とキス(もしくはベッドイン)しちゃった。

I hooked up with Katie and John on Friday.
金曜にケイティとジョンと出かけたよ。


などなど、くっつく、集う、引き合わせるといった“仲介・とりなし”を示すことが多いと思います。

ただバリエーションがあり過ぎて、なかなか端的に示すのが難しい hook up なんですが
私の脳内イメージでは、自分の(もしくは誰かの)望むもの、会いたい人などを、
キャプテン・フックのような鍵爪でヒョイと引き寄せる、というもので、
この連想を始めると映画「フック」を思い出します。


この映画では、先ごろ訃報が伝えられたロビン・ウィリアムが
おじさんになったピーターパンを演じていました。

彼の出演作「いまを生きる」は留学中のオーストラリアで最初に見たときは、
ほとんど内容がつかめず、ただ周りを見回してみると皆泣いていたので
よっぽどの感動映画なんだろうなぁ・・・くらいに思っていました。

それから何年か経って、友達にこの映画が本当に好きな人が居たことから
そういえば一体どんな内容だったんだろう?と気になりだして、改めて字幕つきで見直したら
何と良い映画じゃないか!と、遅まきながら感動した思い出があります。

「グッドウィルハンティング」も良かったですし
「グッドモーニング・ベトナム」は夫の大好きな映画です。

良い俳優さんだったのに、とても残念です。

・・・思わず話が脱線しましたが(汗)次の don’t sweat it は「心配するな、気にするな」ということで
直訳すると「汗をかくな」つまり「焦るな、落ち着け」といった意味ですね。

実はこのトゥコは、ここからしばらくの間、ウォルターとジェシーにとって厄介な問題をもたらす
ある意味ドラマ前半から中盤のキーパーソンの一人です。



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