ブレイキング・バッド シーズン2 第2話より:

withdrawn
内向的、引っ込み思案の


ウォルターとジェシーが自分たちの身を脅かすギャング・トゥコの“処理”にやっきになっていた頃
彼の家では夫が行方不明になったと妻・スカイラーが騒ぎ始めていた。

実はウォルターとジェシーはトゥコの処理に予想以上に手を焼いており
気づけば丸一日、妻に連絡もせず時間が過ぎていたのである。

当然事情を知らないスカイラーは夫の身を案じ
義弟のハンクに警察の力で夫を探して欲しいと懇願する。

そこでハンクは捜索に動いてもらえそうな知り合いの刑事を伴い、
ウォルターの家に事情を聞きにやってきたのだった。

Has he been depressed?
彼にうつ症状はありましたか?(刑事)

He’s been withdrawn lately. A little withdrawn.
夫は最近内向的というか。無口と言うか。(スカイラー)

Last night, he was agitated.
昨夜は落ち着きがありませんでした。(スカイラー)

Yeah. When he came home last night, he was agitated, upset.
そう。彼が昨夜帰宅した時、どうもそわそわと、動揺した様子で。(スカイラー)


depressed 「落ち込む、憂うつ、抑うつ状態、うつ病」。

そして withdrawn は「内向的、引っ込み思案の」という意味で
元となるのは withdraw 「引く、退く、引き出す」という単語です。

この withdraw は海外でATMを使う時、スクリーン上で必ず目にする単語で
預金の引き出しに該当するボタンに withdraw と書かれていると思います。

不慣れな海外のATMで細かい操作が不明でも、とりあえずお金を下ろしたかったら
withdraw を押して、amount(金額)、PIN(暗証番号)の入力で大体問題ないので
一番最初に海外に行くときに覚えた単語の一つが withdraw でした。

agitate は「(人を)扇動する、動揺させる、心をかき乱す、攪拌する」。

人前で演説をすることを“アジる”などと言いますが、agitate がその語源であり
これが agitator と名詞になると「扇動者」。

そして今回のように agitated と形容詞になると「興奮した、動揺した」という意味になり
いつもは滑らかな水面がガシャガシャと乱されているような、落ち着かない様子を表します。

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サエない化学教師・ウォルターの人生逆転計画


身重の妻と障害を持つ息子のため、昼は高校の化学教師、夜は洗車場でアルバイトをしているウォルターは、時には落ちこぼれの教え子の高級車を洗わされることもあるキツイ生活を送っている。

それでも真面目に黙々と頑張ってきた彼に、ある日末期の肺ガンが発覚する。

そして自分の余命が長くないことを悟ったウォルターは、遺される家族が安心して暮らせるよう、人生の残り時間を使って大金を稼ごうと決心する。

果たしてその方法とは、自分の化学知識を結集して最高の合成麻薬(メタンフェタミン)を作り、それを元教え子でドラッグディーラーのジェシーにサバかせるというもの。

死を目前にしたウォルターの執念は、宣言通り最高のメス(メタンフェタミンの略称)を生み出し、ジェシーと共に大金を手にしていくが、やがて彼の作り出すメスはウォルターの義弟で凄腕の麻薬取締捜査官のハンクや、地元の有力ギャング、不良弁護士、闇の大物密売人など、あらゆる人物を巻き込みながら、ウォルター自身も予測出来ない Breaking Bad「道を外れる」事態へと彼を導いてゆくのだった。



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見ているだけでthの発音がよく分かる珍しい作品


ウォルターとジェシーの「金のなる木」であるメタンフェタミン(Methamphetamine)は通称メス(Meth)と言い、これが物語の核を握っているため、劇中で何回も Meth という言葉が登場します。

字幕には「メス」と出てくるんですが、この単語の発音はご存じの通り「ス su」ではなく、日本人にとっては苦手な th です。

この発音が一話の中に何回も出てくるので、th の発音や聞き取りに有効なレッスンになりますし、男性女性、老若男女、ありとあらゆる人たちの th の音が聞けますので、自分に近い人の th 発音は良い参考になるだろうと思います。



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