hands down

ブレイキング・バッド シーズン２　第11話より：

hands down
決定的、他に比類なく、簡単に、楽々と

ウォルターの睨んだとおり、物腰の柔らかな店のオーナー・ガスこそが
実は大物バイヤーであることが判明する。

彼は店で仕事をしながらウォルターとジェシーの様子を伺い
ジェシーがドラッグの常習者であることを問題視して取引を断ってきたのだった。

しかしこのチャンスを逃したくないウォルターは
何とかガスと取引をしようと食い下がるというシーンからです。

Are you familiar with my product?
君は私のブツを知っているか？（ウォルター）

I’ve been told it’s excellent.
最高だと聞いている。（ガス）

It is impeccable.
完璧だ。（ウォルター）

（中略）

You could charge twice the current rate for what I provide,
私のブツなら今のレートの倍の値段で、

and your customers would pay it.
お客に売れるはずだ。（ウォルター）

Hands down.
決断しろ。（ウォルター）

familiar 「よく知っている、見聞きしている、詳しい」、
impeccable 「申し分のない、完璧な、欠点のない」。

そして hands down は「決定的、他に比類なく、簡単に、楽々と」ということで
これは元々は、競走馬の騎手が自分の馬には鞭を打たなくても、
つまり手を下げたままでも勝てる＝他とは比較にならないほど楽に勝てる、
というのがその語源のようです。

ドラマの中のこのシーンでは hands down は「決断しろ」と訳されていて
これは恐らく「他に類を見ない（hands down）ブツなんだから、決めるしかないだろう」
という意味で「決断しろ」なのかな、と思いました。

ここからウォルターとガスの新たな関係が築かれていくんですが
個人的にこのガスが登場してからのシーズンが、
ドラマがもっとも盛り上がって面白かったように思います。

ガスは、表向きには完璧な紳士でボランティアにも協力的な、皆に好かれる街の名士、
しかし裏の顔はウォルターもビビるほどの迫力で、有象無象をあやつる大ボス。

ウォルターたちが動かす金額も、かかわる人脈も
ここからさらにスケールアップしてゆくことになります。

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サエない化学教師・ウォルターの人生逆転計画

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