ブレイキング・バッド シーズン5 第15話より:

high and dry
見捨てられて、取り残されて、行き詰って


思いがけない急展開が起こり、ウォルターは今、全てを失いかけていた。

仲間、金、家族、全てを捨てざるを得ない状況に追い込まれ
彼は仕方なくソウルの助けをかり、別人に生まれ変わる手配を整えるのだった。

とても急な展開であったため、ウォルターはただ一人、誰にも行方を知らせず
見知らぬ土地で別人として生きることを選ぶしかないと決意する。

しかしいつもならさっさと手配を整えて、
あっさりとビジネスライクに顧客を送り出すソウルが
珍しく家族の元に留まった方が良いとウォルターを引き止めるのだった。

You mind if I give you a nickel’s worth of advice?
ほんの少しアドバイスをしてもいいかね?(ソウル)

Just for old time’s sake?
これまで一緒にやって来たよしみで。(ソウル)

You’re worried about your wife and kids? Don’t leave.
あんたは奥さんと子供が心配なんだろう? 離れない方がいい。(ソウル)

The way things are right now, some people, not me, mind you,
今の状況からすれば中には、私じゃないよ、分かってるよな(ソウル)

but some people might say you’re leaving her high and dry.
だが中にはきっと、あんたが奥さんを見捨てたと言う奴もいるんだぜ。(ソウル)

… Some people would be ignorant on the facts.
・・・中には真実に無知な輩もいるだろう。(ウォルター)

Some people wouldn’t know that as far as the police are concerned,
中には警察がこう考えるとは知らん奴もいるだろう、(ウォルター)

Skyler is a blameless victim.
スカイラーは罪なき犠牲者だとね。(ウォルター)


a nickel’s worth of~ 「ほんの少しの価値の~」。

a nickel はアメリカの5セント硬貨の事で、およそ5円ほどの価値のお金なので
そのくらいの価値、ほんのちょっとの、という意味になります。

for old time’s sake 「昔のよしみで」。

そして high and dry は「見捨てられて、取り残されて、行き詰って」という意味で
これは船が岸に乗り上げる、または魚が浜に打ち上げられるのをイメージすると
意味が掴みやすいと思います。

つまり、成す術もなく放置される、苦しいまま置き去りにされるといった意味で
いずれにしても high and dry される側は辛い立場になると予想されます。

自分は逃げて、奥さんをそういう立場に置くのか、とソウルは言っているんですね。

ignorant 「無知な、無教養な」。

victim 「犠牲者、被害者」。

この“別人の人生を用意してくれる業者”はジェシーが使おうとしたのと同じ人たちで
新しい人生を完璧にセッティングしてくれる代わりに、過去の全てを捨てねばならず
それはウォルターにとっては、家族も捨てる(二度と会えない)ことを意味しています。



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