ザ・メンタリスト シーズン2 第10話より:

hold water
水をも漏らさぬ完璧な言い分、筋道が立っている


同窓生のアリバイを調べていくと、
ゲイブという政治家志望の検事が嘘の供述をしていたことが分かる。

ゲイブを犯行が可能な容疑者と判断したリズボンとジェーンは
予告なく彼の宿泊するホテルを訪ねてゆく。

するとベッドルームに未成年の出身高校の後輩女性が居るのを見つけ
これは未成年に対する淫行容疑では、とリズボンはゲイブに詰め寄る。

There was no inappropriate relationship.
別に不適切な関係じゃない。(ゲイブ)

You call it an inappropriate relationship.
あなたは不適切という言葉を使うけど。(リズボン)

The law calls it soliciting sex from a minor.
これは法律では未成年との淫行と呼ぶのよ。(リズボン)

(中略)

You’re very good at this… selling a case with passion,
君はすごく上手いね、その・・・勢いで押し切るのが、(ジェーン)

even though it holds no water.
例え全く筋は通っていなくてもね。(ジェーン)

Explains why you’re such a successful DA.
なるほど腕利きの検事なだけはある。(ジェーン)


inappropriate 「不適当な、不適切な」。

minor 「少数派の、未成年の」。

sell は「物を売る」のほかに
「自分の言い分を相手に納得させる、押し通す」といった意味もあります。

そして hold water は「水をも漏らさぬ完璧な言い分、筋道が立っている」、
ただしここではジェーンは
it holds no water 「全く水がダダ漏れ=筋が通っていない」と言っています。

検事にしろ弁護士にしろ、勢いと話術で陪審員を納得させられれば勝ち、という
ちょっと怖いアメリカの司法制度が見え隠れするセリフだなと思いました。

そうした弁護団の巧みな応酬で無罪をもぎ取った事件と言えば
O・J・シンプソン事件を思い出しますが、
当時彼の弁護を担当した主要メンバーはその後、本人や家族の死、破産等、
ことごとく不幸に見舞われてたそうで・・・何か見えざる力の裁きを感じる話であります。

まあそういう事に縁がないのが一番ですが、
こういうセリフを耳にすると、アメリカで裁判は受けたくないなあと思ってしまいます。



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