先日から「Five must-read books from Japanese literature – 日本文学で読むべき5冊」を読んでいます。

日本文学で読むべき5冊


・「日本文学で読むべき5冊」(1)
・「日本文学で読むべき5冊」(2)
・「日本文学で読むべき5冊」(3)
・「日本文学で読むべき5冊」(4)
・「日本文学で読むべき5冊」(5)

The Sea of Fertility series by Yukio Mishima
(Vintage, 1999)



The first novel is the story of star-crossed lovers while the second book moves to themes of reincarnation and Buddhist philosophies.
一作目は幸薄い恋人たちの物語であり、一方二作目は仏教哲学と輪廻転生を主題としている。


star-crossed lovers「幸薄い恋人たち」。

何だかロマンティックな言葉ですが、star-crossed には「薄幸な、不運な」という意味があり、そんな恋人たちを star-crossed lovers と言うそうです。

By the third book, the protagonist suffers a sudden moral fall;
三作目では、主人公は己の堕落に苦しむ、

steadfast in his belief that he is to be an observer of life, he becomes a literal one – a perverted voyeur looking through various peepholes.
自分は人生の傍観者であると固く信じていた彼は、ある意味文字通りの人物となるのだ、


steadfast「しっかりした、断固とした、不動の、固定の」。

- a perverted voyeur looking through various peepholes.
様々な穴を覗き込む、倒錯した覗き趣味の人物に。


voyeur「覗き趣味の人、出歯亀、詮索好きな人」。

But the reader still clings to a sliver of hope, that perhaps the protagonist, who has fallen so low in our esteem, will be redeemed in the fourth and final book.
だが読者は一縷の望みを捨てきれない、それは恐らく想像以上の堕落を見せるこの主人公が、4作目から5作目で名誉挽回すると思われるからだ。


redeem「弁済する、(努力して)取り返す、名誉などを挽回する、(罪等を)あがなう」。

Mishima’s genius delivers yet in the most unexpected way.
三島の天才的な救いの手は、最も予測しがたい方法で差し伸べられる。


deliver「配達する、(約束を)果たす、出産する、(苦痛な経験から)救う」。

It is perhaps the greatest upset in the history of literature, which alone is worth trudging through the tangle of Buddhist philosophy.
これは文学史上、もっとも見事などんでん返しかもしれず、それを味わうだけのために難解な仏教哲学の道に分け入る価値がある。


trudge「(重い足取りで)とぼとぼ歩く、長く困難な歩行」。

trudging through the tangle of Buddhist philosophy(複雑に絡まった仏教哲学の中を、とぼとぼ歩いて行く)=「難解な仏教哲学の道に分け入る」。

Not one to be outdone by his art, Mishima took his own life the day after he handed in his final copy of the final book, having staged a failed military coup.
三島個人も自身の芸術に後れを取ることなく、遺作となる作品の最終稿を手渡した後、不成功に終わった軍事クーデターを実行し、自らの命を絶った。


be outdone by~「~に引けを取る、後れを取る、出し抜かれる」。

not to be outdone「負けていない、引けを取らない、負けじと」。

military coup「軍事クーデター」。


三島氏が自身の私設軍隊「楯の会」の仲間と共に市谷駐屯地に立てこもり、演説をうったのち割腹自殺、というのは、当時かなりショッキングな事件として連日連夜報道されていたようです。

これは私の生まれる前の事件でしたが、父が当時の様子をオープンリールで録音していて、それを少し聞いた記憶があります。

この時、介錯人が三島氏の首を一回では切断出来ず、かなり苦しんだという記録もあるようで・・・とにかく壮絶な最期だったと。

しかし当時の三島由紀夫の主張「この国でもっとも危険のない、人に尊敬される生き方は、やや左翼で、平和主義者で、暴力否定論者であること」は今になってみると、確かにそんな人で溢れていると感じます。

三島由紀夫はそこに危機感を持っていたわけですが、ここ数年、日本も少しずつ彼の考えていた方向へ進んでいる気がします。

「我慢に我慢を重ねても、守るべき最後の一線をこえれば、決然起ち上るのが男であり武士である」という彼の言葉は、今聞くとかなり頷けるものがあると個人的には思います。

写真集などを見ると、かなり美的にもこだわりがあった様子がうかがえて、楯の会の制服も本当に品があって美しく、子供心にホレボレして見た記憶があります。

もし彼が生きていたら、今の日本を見て何と言うんでしょうね。


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