ブレイキング・バッド シーズン4 第7話より:
snipe hunt
骨折り損、無駄足
ハンクの懸命なリハビリが功を奏し、
近ごろの彼は杖を使えば外出も出来るようになった。
そして体が回復していくにつれ、持ち前の鋭い勘も戻り出したハンクは
改めてゲイルの事件資料を見直し、ある重要な手がかりを見つける。
それはゲイルの部屋を撮影した写真に写っていた
ガスのフライドチキン店のナプキンであった。
厳格なヴェジタリアンであったゲイルがフライドチキンを食べるはずはなく
そんな彼がもしガスの店に出向くとすれば、それは誰かとの待ち合わせではないか、
もしやその相手はガス・フリングではないか、と、ハンクの直感が告げるのだった。
The whole thing’s a snipe hunt, right?
こんな捜査、まるっきり無駄足みたいだよな?(ハンク)
But now I get this crazy idea, and I can’t shake it.
だが俺はあるイカれた考えにたどり着いた、で、そいつが頭から離れない。(ハンク)
… It’s that napkin.
・・・このナプキンさ。(ハンク)
(中略)
What’s a vegan doing in a fried chicken joint?
ヴェジタリアンがフライドチキン屋に何の用があるっていうんだ?(ハンク)
Maybe he’s meeting somebody.
もしかして誰かに会ったのかもしれない。(ハンク)
Like who? Well, like maybe this guy.
例えば誰か? そう例えばこの男。(ガスの写真を指差すハンク)
I mean, what do we know about Gustavo Fring?
俺たち、ガス・フリングが本当は何者かを知らないんじゃないか?(ハンク)
snipe hunt は「骨折り損、無駄足」という意味のほかに
「いたずら、悪ふざけ」という意味がありますが、どちらも根っこは繋がった表現です。
語源は、snipe(スナイプ)という架空の動物を
周りの人間が結託して、あたかも存在しているように見せ掛け
騙されている人にスナイプを狩るようけしかけて
影でその様子を笑い者にするという悪い遊びから来ているそうです。
そこから、架空の獲物を必死に追う人を笑う=「いたずら、悪ふざけ」であり
それは同時に「骨折り損、無駄足」であるという意味になります。
しかし snipe を調べると「シギ科の鳥、シギ猟をする」という意味もあるので
実際は架空の動物ではないようですが
シギというのは、ほぼ架空の存在に等しいほど狩るのが難しく
それを仕留められる名手は sniper(スナイパー)と呼ばれるそう。
スナイパーはご存じの通り「狙撃手」という意味も持つ言葉ですから
そのくらい普通の人には捕らえられないのが snipe というわけなんですね。
I can’t shake it 「私は(その考えを)揺らせない」=「振り払えない」、
ここでは「頭から離れない」と解釈しています。
海外ドラマを使った具体的な英会話習得法はこちら >>
- 投稿タグ
- ブレイキング・バッド, 海外ドラマ