ブレイキング・バッド シーズン5 第9話より:

keep ~ on ice
~を保留にして、~先延ばしにして


ある日、アポイントもなく突然ジェシーがソウルの弁護士事務所を訪ねてくる。

やつれ切った姿の彼が持っているボストンバッグには、500万ドルの現金が入っており
それを自分の両親や今まで迷惑をかけた人たちに配ってほしいと言う。

その様子を見て、トラブルの匂いを感じ取ったソウルは
いよいよウォルターらとやってきた“美味しい裏ビジネス”の終焉が近いことを予期し
いち早く逃げる算段をするというシーンからです。

Uh, sorry to keep you on ice out there, kid.
やあ、待たせっぱなしにして悪かったな、坊や。(ソウル)

(中略)

So, how is the maestro? Things have been quiet on this end.
それで、大先生は元気か? このところ静かなようだが。(ソウル)

I haven’t seen him.
先生には会ってない。(ジェシー)

Just as well, probably.
むしろその方が良さそうだな、恐らく。(ソウル)

That whole thing in the jails… I mean, when they start to whack the lawyers,
ムショにいる奴らの件やら諸々考えると・・・つまり弁護士のケツを叩くようになってきたら(ソウル)

that’s when I draw the line.
こちらも身の引き際ってわけさ。(ソウル)


keep ~ on ice は「~を保留にして、~先延ばしにして」という意味で
直訳すると「氷の上に(冷やして)保つ」となり
すぐには処理出来ない物を冷やして取っておく=保留にしておく、となり
ここではジェシーの来訪を知らなかったソウルが
しばらく彼を待合室で待たせっぱなしにした、という意味で使われています。

just as well 「むしろそれが良い、それでも差し支えない、かえってその方が良い」。

whack は「(ムチのような物で)ピシャっと叩く、強く打つ」という意味のスラングで
ここでは競争馬をビシビシ叩いて無理やり走らせるような、
もっとしっかりやれと人の尻を叩くといったイメージで用いられています。

draw the line は「一線を引く、けじめをつける、境界を分ける」といった意味で
ここでは「身の引き際、それ以上は踏み込めないライン」といった解釈です。

つまりソウルはウォルターの弁護士でもありますが、
かなりウォルターの身辺がきな臭くなってきたようだから
自分もそろそろ身の引き際が来た、と言っているんですね。

この小ズルさが正にソウル・グッドマンという感じで(また名前がグッドマンだなんて 笑)
まあ危ない業界に片足を突っ込んでグレーな弁護士として大金を稼ぐには
こうした逃げ足の速さも重要な資質なのでしょうね。



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