ザ・メンタリスト シーズン3 第2話より:
lose one’s touch
腕が鈍る、下手くそになる、ヤキが回る
自分に殺人の容疑をなすりつけ、未だ行方知れずの義弟・ダニーを探しているジェーン。
そこで彼の居場所を知っているであろう、詐欺師の老女・ニッキーをおびき出すべく
ヴァンペルトにお金持ちの令嬢に扮してもらいニッキーのシマに送り込み
物陰から彼女の登場を待つジェーン。
するとジェーンの予測通り、ヴァンペルトを獲物とみたニッキーが
言葉巧みに哀れな老女を装って近寄ってくるのだった。
Nice hook, Nicki. You’re such a sweet old Lady.
さすがだよ、ニッキー。 見るからに可愛いおばあちゃんだ。(ジェーン)
(中略)
If this were for real, this old fox would have you stripped bare.
もしこれが本当だったら、ニッキーに身ぐるみはがされるところだ。(ジェーン)
(中略)
Damn. Guess I’m losing my touch.
まったく。あたしもヤキが回ったかしらね。(ニッキー)
I’m looking for Danny.
ダニーを探してる。(ジェーン)
(中略)
I know you know where he is.
君なら居場所を知ってるだろう。(ジェーン)
hook は「かぎ爪」、そこから転じて
「(狙った獲物を)上手く引っかける、つかみは上々」といった意味になります。
old fox 「したたか者、海千山千」。
そして lose one’s touch は「腕が鈍る、下手くそになる、ヤキが回る」という意味で
直訳すると touch「感触、感覚」を lose「失う」ですから
良いとき、上手な時の感覚を失くす=「腕が鈍る」となります。
また「腕が鈍る、下手になる」の表現には、rusty もよく用いられますが
rusty の場合、「錆びた」という意味もあるように、
しばらく使っていないために錆びた =「腕が落ちた、下手になった」というニュアンスになります。
それに対して lose one’s touch は同じ腕が落ちるにしても
その理由は老化(ニッキーもおばあちゃんです)などにより、
あった能力を「失う」ということで、rusty とは少々違うニュアンスになると思います。