grasp in the dark
「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」シーズン2 第3話より:
grasp in the dark
暗闇でもがく、暗中模索する
エリオットは頭の中の幻想(?)であるMR.ROBOTを追い払うため ネットから隔絶された規則正しい生活を送っている。 実家のそばでブラブラしていたある日、レイという男に話しかけられる。 レイは愛妻を不幸な事故で無くして以来、 頭の中の存在、妻の幻想と共に生きているようであった。 彼はエリオットの頭の中の存在にも気づいており 無理に追い払う必要はないと言うのだが・・・。
You know that bullshit people say about how when you fall, you got to get up?
よく言うだろ、倒れたら立ち上がれ、って?(レイ)
I reject that shit, man.
俺はそんなの認めないね。(レイ)
You know why? The whole thing is a fall.
何故かって? 万物は倒れる運命だからだ。(レイ)
It can't help but be.
それはどうしようもない。(レイ)
A perpetual state of grasping in the dark. 永遠に暗闇の中でもがくだけだ。(レイ) reject 「拒絶する、却下する、戻す」。 CDやDVDプレイヤーの、盤を出すボタンによくリジェクト、と書いてありますが あれは「盤を戻す」という意味なんですね。 can't help but~ 「~せずにはいられない、~せざるを得ない」。 ここでは It can't help but be(それはそのままにせざるを得ない)、 “それ”とは「万物が倒れること」、を be「あるがままに」せざるを得ない、 =「どうしようもない」という解釈です。 perpetual 「永遠の、永遠に続く、恒久の」。 高級時計の名前で耳にする“パーペチュアル”、 これは「自動巻き機構、永久カレンダー」を意味する用語だそうですが つまり「永久に動き続ける」という事なんですね。 そして grasp in the dark は「暗闇でもがく、暗中模索する」。 grasp「ぎゅっと握る、掴む」、in the dark「暗闇の中で」ということで 正に日本語の「暗中模索」ではないかと思います。 突然伴侶を失うような悲劇の前では、倒れたら立ち上がれ、なんて言葉は陳腐だ、 現実はそんなことじゃないんだ、という感じでしょうか。 ※「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」は Amazonプライムで視聴出来ます(2016年11月現在)。