スタートアップ シーズン1 第7話より:
in a bubble
世間知らず、箱入り、(俗世・一般社会から)切り離された
大物投資家・アレックスとのミーティングに遅れてやって来たロナルドは
試合後のボクサーのようにボコボコに腫れた顔をしており
会議室が一瞬静まり返る。
ロナルドは仲間たちから預かった30万ドルを
独断でジェンコインに投資したことで、彼らからリンチを受けたのだった。
しかし自分はどんな目に遭わされてもジェンコインを信じる、
底辺で生きる者たちの未来の通貨になるというロナルドの言葉は
アレックスの心を強く捉える。
Why is everybody so quiet? Is it because of this?
何で皆静かなんだ? この顔のせいか?(ロナルド)
(中略)
Do you know why?
この顔はどうしたかって?(ロナルド)
Because I took all the money that I had been trusted with my entire hood’s stash,
俺を信頼して預けてくれた仲間たちの蓄えを全て、(ロナルド)
and I gave it to this little girl sitting right here.
このお嬢ちゃんに投資したからだ。(ロナルド)
Izzy Morales.
イジーに。(ロナルド)
That’s how much I believe in GenCoin.
俺はジェンコインを本気で信じてるから。(ロナルド)
(中略)
Most of the folks in your world building the software that’s gonna shape our lives,
あんた方が作ったソフトウェアが俺らの生活を形作ってる、(ロナルド)
most of those people, such as yourself,
そいつらのほとんどは、アレックスあんたも(ロナルド)
you all grew up in a bubble, ain’t that right?
温室育ちだろ、違うか?(ロナルド)
You’re not wrong.
確かに。(アレックス)
And now you still in a bubble.
そして今も温室暮らしだ。(ロナルド)
Same shit, different path. Right?
恵まれてるのは一部の人間だけ。 そうだろ?(ロナルド)
GenCoin. For the people, by the people.
ジェンコイン。 こいつは人々による人々のための通貨なんだ。(ロナルド)
stash「(物、現金等を)密かに隠しておく、蓄える、へそくり」。
That’s how much I believe in GenCoin
(それ[勝手な真似をしたための罰も厭わない]ほどジェンコインを信じている)。
そして in a bubble は「世間知らず、箱入り、(俗世・一般社会から)切り離された」。
直訳すると「泡の中」ということで、
社会から隔絶された環境にある、とか、心地よい安全圏にとどまっている、
といった意味になります。
なので「温室暮らし」「世間知らず」「引きこもり」など
俗世間から遮断されている点では同じでも、
前後の文脈によって解釈は異なってくる場合があります。
Same shit, different path は「同じ人間、違う道」とでも訳せばよいのか、
ロナルドから見れば、アレックスも自分も同じアメリカで暮らす人間だけど
歩んできた道が全く違う、そんな意味だと思います。
その結果、アレックスはうなるほどお金があってプール付きの大豪邸に暮らしている、
片や自分はあばら家に暮らしてお金のために半殺しの目に遭っている、
そういう事が伝わってきます。
決済システムも含めて、世の中のインフラはほとんどが
一部のエリートが設計して運営しているもので、
一般庶民、貧しい底辺の人々は黙ってそれに乗るしかない。
でもジェンコインで、そういう世の中の仕組みが大きく変わるかもしれない、
そこに自分は賭けているという話で、それまではどこかでロナルドの事を
儲け話に乗りたいだけのギャングと思っていたイジーとニックも
彼への認識を改めたような・・・いいシーンでした。
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